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LINE、「LIFE」をテーマに多方面へサービス拡大、決済システムや地図、音楽も

 LINE株式会社は9日、同社の事業戦略を発表するイベント「LINE CONFERENCE TOKYO 2014」を開催。LINEが今後展開する新サービスを、プラットフォーム領域、エンターテインメント領域に分けて発表した。

 LINEでは、「LIFE」をテーマに、コミュニケーションプラットフォームから、LIFEプラットフォーム、エンターテインメントプラットフォームとして拡張することで、生活に密着したサービスを展開する。

LINEでは「LIFE」をテーマに生活に密着したサービスを展開
LIFEとエンターテインメントを軸にしたプラットフォーム戦略

LINE上で送金や割り勘ができる「LINE Pay」

 「LINE Pay」は、提携している店舗、ウェブサービス、各種LINEサービスでの決済をLINEアプリ上で行うことができるサービス。支払いの決済はクレジットカードのほか、みずほ銀行、三井住友銀行の口座を通して事前に10万円分までチャージして使用することができる。当初はオンラインのみだが、順次オフラインでも展開する。

 また、LINEの友人間で、決済した商品やサービスの購入費用を複数で分担する「割り勘機能」や、相手の銀行口座を知らなくても友人のLINE Pay口座宛へ送金も可能。海外への送金もでき、留学中の子供に送金するといった使い方も可能になる。LINEでは、日常的に使うメッセンジャー機能と、決済サービスの連携で、コミュニケーションに基づいたペイメントが可能になるとしている。

 決済時のセキュリティとして、LINEとは別の2段階認証のパスワード設定、iPhone 5s以降に搭載されたTouch IDを使用した指紋認証でのパスワード照会機能のほか、PC側でLINE Payを利用した場合に個人のスマートフォン側で認証するまでは決済されない仕組みを採用する。公開は今冬予定。

LINEの友人間で分担できる「割り勘機能」
「LINE Pay」での送金方法

「LINE@」を一般公開、もう1つのオープンなLINEアカウント

 ビジネス向けの「LINE@」を一般公開し、企業・個人問わずアカウントを取得できるようになった。プライベートなLINE IDとは異なり、さまざまなユーザーや顧客とコミュニケーションを取ることができるオープンなLINEのアカウントとなる。また、1人で複数のアカウントを保有でき、1つのアカウントを複数のユーザーが管理することもできる。

 専用のLINE@アプリからLINE@アカウントを取得する。同アプリよりフォロワーへの一括送信、1対1でのトーク、ホーム/タイムラインへの情報発信が可能になる。アカウントのフォローは通常のLINEアカウントからも可能。LINE@上で商品の販売も可能で、LINE Payで決済することもできる。公開は年内予定。

プライベートなLINEとは別のオープンなLINE
1つのアカウントで複数のユーザーが使うこともできる

タクシーの呼び出し、屋内の地図アプリも

 「LINE TAXI」は、日本交通株式会社との提携により、LINEアプリ内やLINE TAXI公式アカウントからタクシーを配車できるサービス。GPSの現在地や建物情報の入力で指定した場所に配車できる。まずは、東京から提供を予定しており、順次全国へ展開。世界中のタクシー会社との連携も視野に入れている。決済は、LINE Payを利用することも可能。公開は今冬予定。

LINE公式アカウントからタクシーを呼び出せる
決済はLINE Payから行える

 「LINE WOW」は、LINE初のオンデマンドECサービス。韓国最大のフードデリバリーサービス展開するWoowa Brothersとの共同出資によりLINE Bros.株式会社を設立。ローンチ時は東京都渋谷区内を配達エリアとして展開し、麻布十番の和食店「おざき」や、広尾のフレンチ料理店「ア・ニュ」などの店舗が限定ランチを提供する。今後は、メニュー、店舗、エリアを広げ、フード以外の分野でも展開する。公開は今秋予定。

 「LINE Maps for Indoor」は、百貨店やショッピングセンターなどの商業施設内のナビゲーションに特化した地図アプリ。現在地から目的地までの最適なルートを地図で案内する。そのほか、営業時間や電話番号などの店舗情報も掲載する。リリース時は、渋谷ヒカリエや東京ミッドタウンなどの東京近郊約40施設で利用可能で、日本語・英語・中国語(簡体字・繁体字)韓国語に対応する。Android版を今秋公開予定。

店舗内の指定した店までのルートを表示する
ローンチ時には約40施設で利用可能

「LINEビジネスコネクト」のパートナープログラムを開始

 「LINEビジネスコネクト」は、LINEのメッセージ送受信機能を企業向けにAPI経由で提供し、各企業のCRM基盤としてLINEを活用できるサービス。ユーザーの同意のもと、企業の持つ既存のデータベースや自社システムとユーザーのLINEアカウントを連携することで、ユーザーごとに異なるメッセージを配信できる。

 また、LINEビジネスコネクトにあらかじめ対応したソリューションを提供する企業と公式パートナー契約を結び、企業がLINEビジネスコネクトを利用する際に開発負担の軽減や展開のスピードを早める。第1弾はSalesforce、NTTデータなど9社を認定する。

Salesforceの「Marketing Cloud」やNTTデータの「AnserParasol」と連携
9社とパートナー契約を結ぶ

「LINE GAME」新作のほか、CA・GREEとそれぞれ新会社を設立

 「LINE GAME」では、これまで「LINE POP」や「ディズニーツムツム」などカジュアルゲームを中心に展開してきたが、新たにミドルコア〜コアゲームも含める「カジュアルコア」をテーマに展開。LINE POPの第2弾「LINE POP2」、パズルゲームの「LINE トリオ」、シュミレーションRPGの「LINE 英雄の軍団」と「LINE アルビオン戦記」を今秋公開予定。

 また、LINE GAMEのグローバル展開でのコンテンツ開発のために、株式会社サイバーエージェントおよびグリー株式会社と、それぞれ共同出資による新会社を設立。LINE GAME専用のコンテンツを制作する。グリーとの共同出資による新会社名はEpic Voyage株式会社で、RPGやシュミレーションゲームなどのコアゲームを提供する予定としている。

 そのほか、LINEが8月に設立したゲームファンド「LINE GAME Global Gateway投資事業有限責任組合」の出資第1号として、対戦型知的ゲーム「BrainWars」などを提供する株式会社トランスリミットへの出資を決定した。LINEのユーザー基盤を活かした新たなゲームコンテンツの開発に着手する。

アーティストのためのブログサービス、購読課金型公式アカウント

 「LINE公式ブログ」は、アーティストやタレントなどの著名人が参加できるブログサービス。LINE公式ブログ、LINE公式アカウント、LINE PLAYなどLINEの周辺サービスと連携するほか、LINE MALL内に「Artist Stores」を開設することで、情報発信、プロモーション、物品販売などを行うことができる。

 「LINE有料公式アカウント」は、アーティストやタレントなどの著名人が、公式アカウントの購読者を対象に、有料で限定した情報配信が可能なサービス。よりコアなファンなどに向けた機能で、ファンクラブ組織として活用することができる。なお、公式ブログや有料公式アカウントは、インディーズのアーティストも利用できるよう検討中としている。

LINE公式アカウントを軸とした「LINE公式ブログ」と「LINE有料公式アカウント」
「LINE MALL」内に「Artist Stores」を公開

ソニー、エイベックスとLINEが音楽配信サービス向け新会社設立

 株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント、エイベックス・デジタル株式会社とLINE株式会社で、3社共同出資の新会社LINE MUSIC株式会社を立ち上げた。新会社では、既存の音楽配信サービスとは異なった革新的なサブスクリプション型の音楽ストリーミングサービス「LINE MUSIC」を2014年中に展開予定としている。

LINE MUSIC株式会社を設立
アーティストを360度全方位的にサポートする

月間アクティブユーザー数は1億7000万人

 LINEの現在の登録ユーザー数は世界で5億6000万人を突破し、主にASEANや南米でユーザーが増えているという。月間アクティブユーザー数(MAU)は1億7000万人。MAUを公開した理由として、スマートフォンの買い替えやLINE@の一般開放などで1人で複数のアカウントを持つ機会が多くなるためとしている。

登録ユーザー数は5億6000万人
月間アクティブユーザー数は1億7000万人

 1日に送信・受信されるメッセージは130億回、「みなさんに使われるか心配された」と述べたタイムライン機能も投稿やコメントなど1日に1億6000万アクティビティ、1日に使用されるスタンプ数は18億回に上るという。また、今年5月に開始した「LINE Creators Market」の登録ユーザーは9月末時点で全世界で23万人、1万8000のスタンプが販売され、上位10位の平均売上額は3090万円だという。

メッセージ送信回数は1日に130億回
「LINE Creators Market」は23万ユーザーが登録

 なお、現在も発生しているLINEアカウントの乗っ取り被害については、捜査の関係上具体的な数字の開示はできないとしつつ、9月の後半に実施したPINコードの強制設定により乗っ取り件数は減っているという。ただし、今後も重要な課題と捉え、最大のリソースを費やし被害ゼロを目指して限りなく減らしていくとした。

 このほか、中国のLINE封鎖については、具体的な取り組みを控えるとしながらも復活に向けて最大限努力しているという。また、韓国の国家情報院からの傍受疑惑についてLINE株式会社代表取締役社長の森川亮氏は、韓国政府からはそのような連絡もなくLINE側も対応をしたことはなく、セキュリティのレベルからするとそのような事実はないとの見解を示した。

(山川 晶之)