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モダンな通信ネットワーク「Wire」、Skype共同創業者らが新アプリ公開

WebRTCにも対応予定

 スイスのWire Swiss GmbHは3日、音声とテキストに対応した“モダンな通信ネットワーク”だという「Wire」を発表した。Skypeの共同創業者が創業に関与し、著名なエンジニアが多数参加していることから注目を集めている。

 iOS 8以上、Android 4.4(KitKat)以上、OS X Mavericks以降に対応しており、各アプリマーケットからWireのアプリを無料ダウンロード可能(ただし、現在のところAndroidタブレットには対応していない)。通話、メッセージング機能を無料で利用でき、現時点で広告などは表示されない。近々、WebRTC標準規格に対応し、ウェブブラウザーでも利用可能になる予定だ。なお、現時点では英語のみ対応し、他の言語への対応も計画していると説明している。

 Skypeの発表から10年以上たってから開発されたWireは、「携帯電話、タブレット、デスクトップ用に設計・構築されたシンプルで美しい次世代通信ネットワーク」と説明している。「エレガントなデザイン」のユーザーインターフェイスをしており、個人対個人およびグループのテキストメッセージング、高音質HDオーディオによる音声通話、高画質の画像共有、YouTubeとSoundCloudの埋め込み再生機能を持つ。複数のプラットフォームに対応し、どの端末からのメッセージも同期が取れている。

 また、すべての音声通話はエンドツーエンドの暗号化を行っており、メッセージと共有コンテンツについてはユーザーとデータセンターの間で暗号化を行っているという。安全な通話ができることも特徴の1つだ。

 Wireは、独自開発した音声圧縮技術を使用。信号処理の専門家を擁しているため、Wireによる通話は「鮮明である」と説明している。

 Wireの共同創業者でCEOのJonathan Christensen氏は、「今の時代に通信の見栄えや仕組みがどのようにあるべきかについて自分に問いかけた。最新のデバイスとクラウドコンピューティングの進展を最大限に活用して、本当にシンプルで、非常に便利で、真に美しい何かを提供できないだろうか?」と考えた結果、Wireが誕生したと語っている。

 Wireは本社をスイスに置き、ベルリンにも開発拠点を置いている。23カ国出身の50人を超える社員を抱える国際的なベンチャーだ。

 CEOのChristensen氏とCTOのAlan Duric氏はいずれも、後にSkypeに買収されたCamino Network出身。そのため、後にSkypeを買収したMicrosoftでの経験もある。また、チーフサイエンティストのKoen Vos氏は、音声コーデック「SILK」の開発者、「Opus」の共同開発者でもある。

 Wireは、Skype共同開発者でもあるJanus Friis氏が所属するデザイナー、エンジニア、起業家からなるIconicalの「サポートを受けている」と説明している。

(青木 大我 taiga@scientist.com)