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PFU、帳簿を構造化データに自動変換するAI-OCR「PaperStream AI」と「ドキュメントDX」提供

データ変換から業務効率化までをワンストップで提供

「PaperStream AI」のデモンストレーション

 株式会社PFUは4月21日、クラウド型AI-OCRサービス「PaperStream AI」と、DX支援サービス「ドキュメントDX」の販売を開始した。

文字認識精度99.99%のAI-OCRサービス「PaperStream AI」

 PaperStream AIは、帳票ごとの定義作業を行うことなくスキャンするだけで、注文書・請求書・領収書などのさまざまな帳票を構造化データに変換できるOCRサービス。帳票全体の構造解析結果と高精度な文字認識結果を統合して総合的に判断する独自技術により、文字認識精度99.99%を実現しているという。

 同社の業務用イメージスキャナー「RICOH fi Series」向けの有償ソフトウェア「PaperStream Capture Pro」「PaperStream Capture Pro Premium」のオプションサービスとして提供される。価格は、年間10000ページまで認識可能な「Sプラン」が年額33万円、年間50000ページまで認識可能な「Mプラン」が年額110万円、年間200000ページまで認識可能な「Lプラン」が年額220万円。

 同サービスの特徴として、次の内容が紹介されている。

定義設定を行う必要なく自動で構造化データに変換

 取引先や仕入れ先ごとに形式が異なる請求書などの非定型帳簿であっても、生成AI技術を活用した解析により、定義設定を行う必要なく取引先名や日付、金額などの項目を自動抽出できる。

非定型帳簿であっても定義設定を行う必要なく自動的に構造化データに変換できる

独自技術と生成AIにより、認識精度99.99%を実現

 帳票全体の構造や文脈をとらえる解析結果と、PFU独自のOCRエンジンによる文字認識結果という、2つの異なる根拠情報と文書画像を生成AIで突き合わせて解釈・補完することで、項目抽出の確度を高め、99.99%の認識精度を実現したという。

 例として、軽減税率対象品目の横に「※」がつく帳簿において、商品名に「ミネラルウォーター 2L×9本」、欄外に「※印は軽減税率(8%)対象品目です」と記載があるケースが紹介された。従来のAI-OCRサービスでは、税率を読み取ることができず、人間が確認して補完する必要があったというが、同サービスでは、AIが「※」以降の意味を文脈で理解して補完するため、人間が行っていた補完作業を削減できる。

AIが文脈から記号の意味を解釈して自動で補完する

独自技術による高速OCR処理と並行して行える確認・修正

 複数のOCRエンジンと生成AIを組み合わせて並列処理を行う独自技術によって、高速なOCR処理が可能になった。さらに、OCRの進行に合わせて確認・修正を同時に行えるため、処理量が多い場合でも待ち時間を最小化でき、スキャンから出力までのトータル作業時間を短縮できる。

高速なOCR処理が可能であることに加え、OCRの進行に合わせて確認・修正を行える

修正内容を学習することによる認識精度の向上

 人間がOCRデータの修正を行うと、内容が帳票の種類ごとに蓄積・学習され、以降の認識精度の向上に生かされる。学習は自社の運用データをもとに行われるため、他の企業の影響は受けない。また、社内の複数部門でスキャナーやPaperStream Capture Proを利用している場合であっても学習内容が共有されるため、少量の処理のみを行う部門にも展開しやすいとしている。

紙とデジタルデータの両方で同じフロー・同じ操作で完結

 PaperStream Capture ProとPaperStream AIを連携させることで、スキャンから画像確認、帳票仕分け、OCRまでを1つの流れで実行できる。また、郵送やFAXで届いた紙だけでなく、メール添付で受け取ったPDFなど入力形態が混在している場合でも、同じフローで取り込みからデータ化を実行できる。

バックオフィス業務の効率化を支援する「ドキュメントDX」

 ドキュメントDXは、企業内に残る紙・PDF・画像などの文書情報を、PaperStream AIなどにより業務で使えるデータに変換し、業務プロセスに組み込むことで、バックオフィス業務の効率化を実現するDX支援サービス。PFUの専門SEが、利用者の業務と文書の棚卸しから、業務プロセスの再設計・システム導入・定着まで、一連の業務に伴走する。

 短期間(約1〜1.5カ月)で、利用者の業務と文書の棚卸しから、課題整理、改善施策の提案を行う「ドキュメント業務棚卸サービス」と、スキャナー、AI-OCR、RPA、ファイリングシステム、既存システムとの連携などを組み合わせ、文書情報を業務で使える形に変換する方法を提案する「ドキュメント業務デジタル化サービス」が提供される。

 ドキュメント業務棚卸サービスの価格は1業務あたり110万円。ドキュメント業務デジタル化サービスは個別見積もりで、参考価格は初期費用が66万円~、2年目以降のランニング費用が37万4000円~。

紙をAIの知恵へ変え、社会のデータ循環の入口を支える

株式会社PFU 取締役 常務執行役員 宮内康範氏

 同日に行われたメディア向けの発表会において、宮内康範氏(取締役 常務執行役員)が、ドキュメントイメージング事業における新たなビジョンについて説明した。

 企業は人手不足による問題の対策としてAI活用を進めているが、紙の請求書などデータ化に手間のかかる資料が多く残っていることが、足かせになっているという。宮内氏は、今回発表した2つのサービスが、AI活用における問題を解決する上で重要な取り組みになると説明した。

 同社は、資料の電子化からAIが使えるデータへの変換、AIを活用した業務効率化をワンストップで提供する「ドキュメント AI Ready」構想を目指している。今後は「紙をAIの知恵へ変え、社会のデータ循環の入口を支える」を新たなビジョンにし、サービスの提供を通じて、現場に眠る情報を価値へ変える、社会の意思決定を支える存在へと進化していくと語った。