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DNPと東大が共同開発した分速250ページで読み取るブックスキャナー、図書館の蔵書を対象に試験運用開始
(2015/2/16 18:02)
大日本印刷株式会社(DNP)は16日、東京大学附属図書館の蔵書のデジタル化において、東京大学石川正俊教授・渡辺義浩講師の研究チームと共同開発したブックスキャナーの試験運用を開始すると発表した。同スキャナーは2012年11月に開発発表したもの。
ブックスキャナーは、書籍などを冊子体のままスキャンできる非破壊式で、1ページずつめくりながら1分間に250ページの速度でスキャン可能。DNPでは、世界最速レベルだとしている。画像データは、光学文字認識(OCR)処理によりテキスト化され、検索可能なデータとして活用される。
東京大学附属図書館の書籍や学術資料などのデジタル化だけでなく、タイトルごとの書誌データを作成する。デジタル化する蔵書は著作権が切れており、東京大学に過去所属した教員の著作物を主な対象としている。この取り組みは、東京大学本郷キャンパスの総合図書館を拡充する「新図書館計画」の一環で、資料や蔵書をデジタルデータ化して保存・活用するという。
DNPによると、これまでのブックスキャナーでは、文字や絵がゆがまないように、1ページずつ手でめくって平らにする必要があり、読み取りに時間がかかるだけでなく資料を破壊させてしまう可能性が高いことが課題だったという。
今後は、高速ブックスキャナーの運用ノウハウを蓄積し、書籍のデジタル化から電子書籍などの制作まで一貫したサービスの提供により、2017年度までに10億円の売上を目指すという。