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ソニー、メガネ型ウェアラブル端末「SmartEyeglass」の開発者向けモデルを3月10日に発売

 ソニー株式会社は、透過式メガネ型ウェアラブル端末「SmartEyeglass」のアプリ開発者向けモデル「SmartEyeglass Developer Edition『SED-E1』」を3月10日に発売すると発表した。価格は10万円(税別)。一般ユーザーには2016年内に発売予定としている。

アプリ開発者向けモデル「SmartEyeglass Developer Edition」
ユーザー体験のイメージ

 SmartEyeglassは、視認中の対象物から視線をそらさずに情報を確認できる「重畳表示方式」を採用し、現実世界に情報を付加する拡張現実(AR)を実現するデバイス。スポーツ観戦中の選手情報の表示、イベント会場でのSNSメッセージの表示、観光地でのガイド情報の表示といった使い方のほか、製造現場での作業指示や警備現場での事故情報表示など、業務用途でも活用できるという。

 SED-E1は、日本・米国・英国・ドイツで発売するほか、産業用途のアプリ開発を促進するために、法人顧客向けとしてフランス・イタリア・スペイン・ベルギー・オランダ・スウェーデンでも購入可能。販売は、アプリケーション開発支援サイト「Sony Developer World」のSmartEyeglass専用ページで行う。

 なお、ソニーでは昨年9月よりソフトウェア開発キット(SDK)の先行リリース版を提供していたが、SmartEyeglassの発売にあわせてSDKの正式版をリリース予定。これにより、開発者のユニークな発想による多様なアプリ開発を促進し、SmartEyeglassが提供する体験を向上するとしている。

 本体には、有効画素数300万画素CMOSイメージセンサー、加速度センサー、ジャイロスコープ、電子コンパス、照度センサー、マイクなどのセンサー各種を備えるほか、センサーで取得したデータや画像・動画データをスマートフォンと連携したり、スマートフォンのセンサー(GPS)などと組み合わせて、スマートフォンのアプリで活用できる。

 ディスプレイ部分は、ソニー独自のホログラム光学技術により、視野をさえぎるハーフミラーを使用せずに、85%の透過性を持った薄型レンズを開発した。また、緑単色表示により低消費電力ながら最大1000cd/平方メートルの高輝度を実現し、さまざまな環境でもテキストが読みやすく視認性の高い表示が可能だという。

 SmartEyeglassの操作は、専用コントローラーで行う。コントローラーには、タッチセンサー、各種ボタン、スピーカー、マイク、NFCを搭載する。リチウムイオンバッテリーを内蔵しており、持続時間はカメラ未使用時の場合は連続使用で約150分、カメラ使用時の場合は連続使用で約80分。対応OSは、Android 4.4以上。SmartEyeglassとの接続には、Bluetooth 3.0、IEEE 802.11b/gの無線LANを利用する。

 本体サイズは、アイウェア部が折りたたみ時で約180×39×72mm(幅×高さ×奥行)、展開時で約180×39×182mm(幅×高さ×奥行)。コントローラー部が、約54×21×60mm、ケーブル長が約63cm。重さはアイウェア部で約77g、コントローラー部で約44g。

ディスプレイ部には、ソニー独自のホログラム導光板技術が使用されている
「SmartEyeglass Developer Edition」の主な構成要素

(山川 晶之)