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Square、個人店舗でも低コストでオリジナルのプリペイドカードが作れる「Squareギフトカード」

 Square株式会社は23日、低コストでハウス型プリペイドカード(電子マネーカード)を発行できる「Square ギフトカード」を、首都圏のコーヒー専門店12店舗で先行導入した。

先行導入するコーヒー専門店12店舗のオリジナルプリペイドカード

 ハウス型プリペイドカードは、発行した事業者のみで利用できるプリペイドカード。通常、事業者がプリペイドカードのシステムを導入・運用する際には、100万円を超える初期費用に加え、月額利用料や利用金額に応じた手数料が発生するという。Squareギフトカードでは、初期費用や月額利用料などの固定費がなく、枚数に応じたカード代金のみで発行できる。

 Squareギフトカードを利用するには、無料POSレジアプリ「Squareレジ」のアカウントと、スマートフォン/タブレットのイヤホンジャックに挿して使用するカードリーダー「Squareリーダー」が必要。リーダーは、アカウント作成後、管理画面から無料で申し込み可能。

 また、据置型の専用端末と異なり、モバイルネットワークやWi-Fiを利用して決済するため、屋外のイベントなどでも利用可能。財布を預けることの多い海などのイベントで、入場券として配布し、会場の買い物に利用するといった使い方も想定しているという。

 カードの発行はオンライン上で行うことができ、必要なカード枚数を申し込むだけで店舗オリジナルのプリペイドカードを発行できる。テンプレートデザインであれば発行までに1〜2週間、オリジナルデザインであれば発行までに2〜3週間を要する。

 カードへのチャージは、Squareリーダーを利用する。カードにはユニークIDを割り振っており、サーバーで残高を管理する。チャージ額によるポイント付与も可能で、「3000円チャージで3300円分利用可能」といったことができる。なお、ポイントカードとして利用することはできない。

「Squareギフトカード」を先行導入するコーヒー専門店12店舗
「Squareギフトカード」の決済方法。決済額を入力し、既存のSquareリーダーに通すと決済される
決済が完了すると、デジタルレシートをメールアドレスに送信することができる

決済のSquareから、集客・リピーター獲得までサポートするツールへ

 Squareでプロダクトマーケティングマネージャーを務める掛谷悟史氏は、Squareを取り巻く現状として、2020年の東京オリンピック開催に向けたインバウンドビジネスの活性化にともない、訪日外国人観光客などへの対応としてWi-Fi/多言語対応とクレジット決済が並列に語られるようになったという。その結果、これまで多かった企業・個人事業主に加え、行政や商店街組合などからの問い合わせが増えているという。

 Squareでは、Squareリーダーによる決済手段と、平均単価や時間帯別の売り上げといった分析ツール「Square Dashboard」を無料で提供している。事業者のビジネスをより幅広くカバーするために、集客にフォーカスを当てたのがSquareギフトカードとなる。これにより、消費者が店に興味を持っての来店・購入、さらにリピーターの確保に役立てられるという。

 また、クレジット決済を利用せずに、Squareギフトカードのみの導入も可能で、Squareを導入する事業者の裾野を広げる目的もあるという。本格的な導入開始時期や、チャージ上限額といった具体的な仕様については準備が整い次第アナウンスする予定。なお、すべての事業者・ユーザーにSquareギフトカードのシステムを提供できるかパートナーと検討中としており、審査制になる可能性もあるという。

これまでSquareでは、決済・分析に関するサービス/ツールを提供してきたが、「Squareギフトカード」の提供により、集客もカバーする
ハウス型プリペイドカードの市場規模は、電子マネー市場規模の成長率と同じペースで拡大すると予測されており、2017年には1兆円規模に達するとしている

 今回、Squareギフトカードの先行導入プログラムにコーヒー専門店を選んだ理由としては、“こだわりを持ったプロダクトを持つ人をサポートする”というSquareのミッションがベースにある。豆や焙煎方法、淹れ方などにこだわったコーヒーを提供する専門店の集客にまずは利用してもらい、食べログの評価やまとめサイトとは異なる、店を知ってもらうための新しいツールとして提供する。

 Squareギフトカードの発表会では、東京都中央区に店を構える「舘田珈琲焙煎所」店主の舘田智氏も登壇した。コーヒーの世界は、コンビニエンスストアのコーヒーやブルーボトルの上陸など競争が激しい分野である一方で、ローカルに根ざした顧客開拓やリピーター獲得も重要になるという。そこで、こだわりの味を気軽に体験してもらうためのきっかけ作りや、リピーター獲得ツールとしてSquareギフトカードを利用するとした。

(左から)舘田珈琲焙煎所店主の舘田智氏、Squareプロダクトマーケティングマネージャーの掛谷悟史氏。舘田氏は、もともとIT企業でマーケティングに携わっていたが、こだわりの豆と京都の焙煎機に出会い、コーヒー専門店をオープンした
Squareとコーヒー専門店のつながりは深く、Square共同創業者のジャック・ドーシー氏が最初に出資したのはコーヒー専門店だったという。また、コーヒーに宿るストーリーを知ってもらうための特集サイト「Love Your Coffe」を23日に開設する

(山川 晶之)