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IoT時代のセキュリティを8割のユーザーが懸念、トレンドマイクロ調査

 トレンドマイクロは27日、世界各国のユーザーを対象としたアンケート調査「IoT時代のプライバシーとセキュリティ意識」の結果を公表した。

 調査は2014年12月に、日本、米国、欧州16カ国に在住する個人ユーザー1903人を対象に実施。スマートテレビやウェアラブルデバイス、スマートメーターといった、さまざまなものがインターネットに接続される「モノのインターネット(Internet of Things、IoT)」について、ユーザーがどのような懸念を持っているかを調査した。

 調査では、装着型フィットネスデバイス、Google Glass、スマート温度調節器(エアコン)、スマートテレビ、スマートキッチン家電、スマートセキュリティシステム、スマート電力メーター、スマートフォン、タブレットといった、IoT関連のスマートデバイスについての利用意向について質問。対象となったユーザーの100%が、IoT関連デバイスを「現在利用中」あるいは「利用予定」と回答しており、スマートフォンとタブレットを除いても95%と高い割合となっている。

 それぞれのIoT関連デバイスで「現在利用中」または「利用予定」と回答している割合は、スマートフォン・タブレットが76%、スマートテレビが70%、スマート電力メーターが46%、スマートキッチン家電が44%など。日本の回答者の割合は、スマートフォン/タブレットが77%、スマートテレビが72%、スマート電力メーターが49%、スマートキッチン家電が45%など。

各種IoTデバイスの利用状況・利用意向

 一方で、IoT利用時におけるセキュリティに関して懸念があるという回答は全体の80%に上り、地域別では日本が83%、米国が75%、欧州が82%で、日本の割合が最も高い。IoT利用時におけるプライバシーに関して懸念があるという回答は全体の52%で、地域別では日本が49%、米国が44%、欧州が62%。

IoT利用時のセキュリティやプライバシーに懸念があるユーザーの割合

 IoT関連デバイスのメーカーや事業者が提供すべきと思う情報や機能については、「自分に関する個人情報が紛失・盗難にあった場合、補償してくれる」が73%と最も多い。そのほかでは、「どのように情報が利用されるのか」(70%)、「どのような情報が収集されるのか」(67%)といった情報の提供を求めるユーザーの割合が多い。

メーカーや事業者が提供すべき情報や機能

 また、IoTの利便性が、自身が持つプライバシーやセキュリティの懸念を上回ると考えているの回答者の割合は全体の44%にとどまっている。トレンドマイクロでは、IoT市場の活性化には、メーカーや事業者が利用者の懸念を払しょくする施策をどれだけ実施できるかが1つのカギになると指摘している。

(三柳 英樹)