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GitHubが日本法人「ギットハブ・ジャパン」を設立、マクニカと提携し、法人営業や日本語サポートを展開
(2015/6/4 18:39)
ソフトウェア開発共有ウェブサービス「GitHub」を手掛ける米GitHubは4日、東京で記者会見を開催し、初の海外支社となる日本支社「ギットハブ・ジャパン合同会社」の設立を発表した。
日本支社では、法人向けに提供している「GitHub Enterprise」の営業や、GitHubの普及・啓発活動などを行っていく。さらに、マクニカネットワークス株式会社と国内総代理店契約を締結し、円建て決済や日本語によるテクニカルサポートを提供していくことを発表した。
GitHubのクリス・ワンストラスCEOは、「いずれはすべての企業がソフトウェア企業になり、すべての企業がオープンソースコミュニティの一員になると考えている」として、「GitHubはより迅速に、より優れたソフトウェアを開発することに役立ちたい」とコメント。日本では昔からオープンソースコミュニティの活動が活発であり、多くのプログラマーと密接に協力していきたいと語った。
ギットハブ・ジャパンのジェネラルマネージャーに就任した堀江大輔氏は、これまでアマゾンやヤフー、シックス・アパート、クックパッドといった企業で、事業開発や製品管理、国際事業などの仕事に携わってきたが、「ソフトウェアのコードを書くという経験はできなかったため、3年ほど前に勉強を始め、そこでGitHubに触れるようになった。GitHubを知れば知るほど、仕組みだけでなくGitHubという会社にも興味を持った」と入社のきっかけを語った。
法人向けに提供している「GitHub Enterprise」は、一般ユーザー向けに提供しているGitHub.comと同様の機能を、オンプレミスのサーバーやクラウドサービスで利用できるソフトウェア開発プラットフォーム。多くの企業で利用されており、すでに日本でもヤフー、日立システムズ、クックパッド、サイバーエージェント、DeNA、GREEといった企業で導入されている。
堀江氏は、「日本にも多くのGitHubユーザーがいることで、ここまで事業が伸びてきた。これからはユーザーの好意に甘えることなく、我々自身がサポートしていきたい」として、東京にオフィスを開設し、スタッフが常駐して日本の企業ユーザーへのサポートを提供していくと説明。GitHub Enterpriseはこれまで、海外送金かクレジットカードによる米ドルでの支払い方法のみで、テクニカルサポートも英語のみという状態だったが、マクニカネットワークスとの提携により円建て決済と日本語サポートを提供していくとした。
また、企業だけでなく日本のオープンソースコミュニティとの関係を深めていくほか、行政・自治体、教育機関などへの普及・啓発を行っていくとした。
堀江氏は、「GitHubの社員の多くはリモートで働いており、ソフトウェア開発だけでなくすべての業務でGitHubを利用して、世界中どこにいても仕事ができる環境を作り上げてきた」として、開発者やデザイナーといった職種に限らずさまざまな利用法があることや、オープンソースコミュニティ流の仕事のしかた、働き方といったものを伝えていきたいと語った。
GitHub導入企業として登壇した株式会社日立システムズの伊勢正浩氏は、より迅速な開発を目指していく中で、2013年度からGitHub Enterpriseを実験的に導入したと説明。GitHubを使うことで、レビューが容易になったり、未検証のままのコードが入っていかないといった品質面でのメリットがあり、2015年度から本格的導入を決めたとした。今後はまず新人教育でGitHubを活用し、GitHubを使いこなせる人材を増やしていくことで、実際の開発にも利用していく予定だという。
同じく導入企業として登壇したヤフー株式会社の横山賢太郎氏は、ヤフーでは2000年初頭からCVSやSubversionを適時利用してきたが、機能には必ずしも満足していなかったと説明。GitHub Enterpriseは、2012年5月から導入を進め、2013年9月には全エンジニア、デザイナーが利用可能になり、現在では欠かせないツールの1つになっているという。
横山氏は、「GitHub Enterpriseは、gitの強力な機能の恩恵に与りつつも、多くの利用者にとって利用しやすいツールになっている。社内でも利用者の多いGitHub.comの使い勝手とほぼ同じものが、社内の開発にも利用できることに価値がある」と評価。GitHub日本支社の開設を機に、これまでの協力関係に加えて、国内事情を踏まえた機能性や運用面での課題などで連携・協力していき、より使いやすい製品が提供されることに期待したいと語った。