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ダークパターン対策協会、消費者を守り、健全なサイト運営を推進するため「NDD認定マーク」と「自己審査チェックシート」を公開
2025年7月17日 07:30
一般社団法人ダークパターン対策協会は7月15日、ウェブサイトやサービスが不適切なオンライン上の設計「ダークパターン」を使用していないことを認定する「NDD(Non-Deceptive Design:非ダークパターン)認定制度」における「NDD認定マーク」および「自己審査チェックシート」を公開した。
ダークパターンとは、消費者に意図せず不利な行動をさせる、悪質なウェブサイトやアプリなどにおける誘導やシステムの設計のこと。消費者の意思に反して製品やサービスを購入させる/1回だけでなく定期購入にさせる、過剰な個人情報の要求や第三者への開示を行う、などがダークパターンに該当する。
これまでも、明らかな法令違反のダークパターンは消費者庁を中心に積極的に取り締まってきたが、それ以外にも法の網をかいくぐるグレーゾーンのダークパターンが数多くあり、問題になっていたという。
こうした状況を踏まえて、同協会は誠実なウェブサイト運営を評価・認定する仕組みとして「NDD認定制度」を創設した。事業者のウェブサイトを第三者機関が中立的に審査・認定し、改ざんできない認定マークを付与することで、消費者が安心して利用できるウェブサイトを見極めるための一助となることを目的としている。
NDD認定のための審査は、事業者による自己審査、指定する認定審査機関による一次審査、同協会の企業審査局による最終審査、の3段階で構成されている。審査に合格すると「NDD認定マーク」を取得でき、事業者は自社ウェブサイト上に「NDD認定マーク」の表示が可能となる。これにより、消費者からの信頼性や、企業の社会的評価の獲得が期待できるという。
NDD認定マークは、「組織的対策」「クッキーバナー」「購入前最終確認画面」の3つの領域にそれぞれ設定され、アイコンと組み合わせて活用する。認定取得初年度はBRONZEからスタートし、翌年度更新後はSILVER、3年目の更新後はGOLDとステータスがアップしていく。
「自己審査チェックシート」と、既に公開済みの「ダークパターン対策ガイドライン」をもとに、自社ウェブサイトの自己審査が可能となる。協会による認定審査の受付は、10月より開始予定。
また、ウェブサイトの情報提供を受け付ける「ダークパターン・ホットライン」が開設された。フォームから情報提供でき、悪質なケースの場合は消費者庁や関係省庁、金融機関へ情報連携を行うとしている。提供された情報は整理して開示する予定で、ガイドラインのバージョンアップにも生かしていくとしている。
ほかにも、NDD認定制度に関するオンライン説明会が以下の日程で開催される。説明会ではNDD認定制度や、取得するための実務上のポイントについて解説される。参加費用は無料で、各回の定員は500人まで。説明会の案内ページで申し込みが可能。
- 第1回:7月23日 15時~16時30分
- 第2回:8月5日 15時~16時30分
- 第3回:8月20日 15時~16時30分
- 第4回:8月28日 13時30分~15時
- 第5回:9月8日 10時30分~12時
今後は、情報判断力を身につけている途中の子どもや、デジタル環境の利用経験に差が出やすい高齢者などがダークパターンに騙されないことを目的とした「ダークパターン対策動画」を秋に公開予定。親しみやすいキャラクターを活用し、注意喚起と自分ごと化を図るとしている。