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意図せず不利な行動をさせるウェブの「ダークパターン」撲滅目指す組織設立、優良サイト認定制度の運用へ

年間で1兆円以上の被害が発生と推計

 株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)を主幹とする「Webの同意を考えようプロジェクト」は10月2日、プロジェクトの発展的解消と、一般社団法人ダークパターン対策協会の設立を発表した。同協会は、誠実なWebサイトを認定するためのガイドラインの策定、認定制度の運用などの活動を行う。

 「ダークパターン」とは、ユーザーに意図せず不利な行動をさせる、悪質なウェブサイトにおける誘導やシステムの設計のこと。ユーザーがきちんと内容を読まずにクリックしてしまう「形骸化した同意」問題や、Cookieに関する同意を求めるバナーが、Cookieが短期間で削除される設定により何度も表示されてしまう「同意疲れ問題」などを念頭に、必要な同意の取得もある中で、誠実に対応をしている企業が消費者から正しく評価されていないのではないか、誠実な企業がバカを見るようなことがあってはいけない、という思いから、「Webの同意を考えようプロジェクト」は活動を開始した。

 同プロジェクトのウェブサイトではダークパターンに関するアンケート調査の結果を公開しており、ダークパターンを経験したことがある人は86.0%、意図しない契約や購入による金銭的被害を受けた人は30.2%おり、推定被害総額は年間約1兆575億円~約1兆6760億円になると推計している。

Webの同意を考えようプロジェクトより。ダークパターンに関する問題の解決策

 ダークパターン対策協会は、誠実なWebサイトを認定する「非ダークパターン認定」(NDD認定)制度を運用する中立的な第三者組織として発足。今後の活動として、企業のウェブ担当者向けのガイドラインの作成と認定制度の設計・構築を進め、2024年1月中旬にはガイドライン Ver.1.0を公開予定としている。

 また、審査制度の構築も進め、2025年7月1日に制度の開始を予定している。

ダークパターン対策協会の組織体制図
活動スケジュール