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SNSで見つけた副業サイトで、報酬を得る前にお金を請求されるなどのトラブル。国民生活センターが注意喚起

 独立行政法人国民生活センターは、SNSや動画広告などで見つけた副業サイトで、簡単な作業(タスク)で高額報酬が得られるとうたいながら金銭の支払いを要求され、報酬は得られなかった、などの副業トラブルに関する相談が増加しているとして、注意喚起を行った。

SNS広告で見つけた簡単なタスクで、ミスの処理費用を請求された事例

 同センターが紹介している事例は、最初に少額の報酬を支払ったうえで更に高額報酬のタスクがあると誘い、その後に高額な金銭を要求してくる手口のもの。30代女性の相談者がSNSで「動画SNSを見るだけで報酬を得られる」という広告を見てメッセージアプリ経由で申し込み、指示通りタスクをこなし数百円を受け取った。その後、「高額報酬のタスクがある」と誘われ、指示された1万円を支払った。4人1組でチームになりタスクをこなすと、事前に支払った1万円に報酬を上乗せした1万数千円が振り込まれたという。

 しかし、次に3万円を振り込み、データを入力した後で「あなたのミスでチーム全員が損をした」と言われ処理費用15万円を請求され、さらに「次のタスク完了で戻ってくるから」と言われて約40万円を口座に振り込んだ。タスクは完了したが報酬などを引き出すためにはさらに約70万円が必要と言われた。振込先口座はほぼ全て異なる個人名口座だったという。

 別の相談事例では、相談者が高額報酬のタスクのために指示にしたがって事前に振り込んだが引き出すことができない、SNS広告を見てタスクを始め、報酬を出金しようとしたらアカウントが凍結され、高額な解除費用を請求された、といったものも寄せられているという。

「簡単なタスクを行う副業に関するトラブル」の相談件数などの推移。2024年7月31日までの相談件数は950件で、2023年の同期間の703件を上回る

「簡単に稼げる」「儲かる」を強調する広告は詐欺を疑って!

 同センターでは、「簡単に稼げる」「儲かる」ことを強調する広告は詐欺の可能性があるのでうのみにしない、相手方に安易に個人情報を開示しない、お金を稼ぐはずが、振り込みを求められたら、消費生活センター等に相談する、と呼びかけている。

 また、不安に思った場合は消費生活センターや警察に相談するようにとして、消費者ホットライン「188(いやや!)」番を紹介している。

国民生活センターの啓発資料