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ダークパターン対策協会、対策ガイドライン ver1.0を公開し、意見を募集
2025年2月3日 06:30
一般社団法人ダークパターン対策協会は1月30日、「ダークパターン対策ガイドラインver1.0」を公開した。
ダークパターンは、ユーザーが気づかないうちに不利になる判断をさせるよう誘導するインターフェースのこと。消費者が安心できるウェブサイトを判別できる目安などを提供する「非ダークパターン(NDD:Non-Deceptive Design)認定」制度を運用する中立的な第三者組織として、ダークパターン対策協会は2024年10月に発足した。NDD認定制度の構築、審査機関の認定、審査員の教育、ガイドラインの構築・バージョンアップ、通報窓口の運用などの業務を行っている。
今回公開された「ダークパターン対策ガイドラインver1.0」は、PDFファイルとして公開されており、誰でもダウンロード可能。認定に必要となる実装や運用要件など審査対象項目を示し、誠実な事業者に求められる非ダークパターン実装や組織的対策について解説している。
このガイドラインを通し、消費者が正しい選択ができるようになることで被害を回避し、インターネットを安心して使える世の中の実現をサポートすることを目指すほか、事業者側にも適切な実装を解説し、誠実なウェブサイトが消費者から評価されるようにしたいとしてる。
ガイドライン内では、ガイドライン策定に至る背景や問題認識、およびカバーする範囲を整理し、具体的なダークパターンの例と対策に言及している。ダークパターンの例示は、ECサイトなどで見られる悪質な誘導やクッキーバナーのインターフェースのほか、ユーザーをある種の依存症状態にさせる「依存症の利用」など、画面上以外の問題にもおよぶ。そのほか、ダークパターンを防止する組織的な対策などにも触れられている。
同ガイドラインは、有識者や企業のほか、オブザーバーとして消費者庁、総務省、個人情報保護委員会、経済産業省の政府関係者が参加した分科会での議論を経て策定。ダークパターンの問題は、ウェブデザインや表記に関する問題、手続き上の問題など多岐にわたり、ガイドラインは順次バージョンアップをしていく。
その一環として、ガイドラインは3月5日まで意見公募を行う。集まった意見は、「全て慎重に検討し、必要に応じて本ガイドラインに反映させていく」としている。