被害事例に学ぶ、高齢者のためのデジタルリテラシー

それってネット詐欺ですよ!

ココリコ遠藤さんの妻が告白した「ショッピング詐欺」×「PayPay返金詐欺」コンボの手口とは?

 お笑いタレント「ココリコ」の遠藤章造さんの妻・雅美さんは、3月末に更新した自身のブログで、ネット詐欺に遭ったことを告白しました。ショッピング詐欺から連続してPayPay返金詐欺を仕掛けられ、被害金額は総額で20万円以上にもなってしまったそうです。どんな流れで詐欺に巻き込まれてしまったのか、その手口を見ていきましょう。

ココリコ遠藤章造さんの妻・雅美さんのブログ記事「詐欺被害」より

検索で見つけたショップに振込み後、「PayPayで返金する」と言われ…

 雅美さんが探していた参考書と、長男がほしがっていたポケモンカードの両方を販売しているネットショップが見つかりました。初めて見るショップながら、欲しい商品を両方とも扱っているのはここだけだったので、このショップで購入することにしたそうです。

 支払い方法は銀行振込。購入代金として5246円を振り込んだところ、欠品につきキャンセルする、とメールが届きます。PayPayで返金するので、QRコードを送ってください、と連絡が来たので教えたところ、「あなたのアカウントは制限されているから返金できない」と言われました。

 続けて、LINEのビデオ通話に誘導され、「あなたのPayPayはロックかけられてるから色々試してなんとか返金のご案内します」と言われ、PayPayで本人確認できているか、口座と紐づけられているのか、などを確認したそうです。

 そして、「こちらからPayPayのQRコードを送るので、そのQRコードを開いて暗証番号を入れると、PayPayの制限を解除できてこちらから返金しますからね〜大丈夫ですよ〜」と言われたそうです。そして、暗証番号を入れると、21万4890円が送金されてしまいました。

 詐欺被害に気づいた雅美さんは警察に相談しましたが、お金を取り戻すのは難しい、と言われてしまったそうです。

銀行振り込みだけのショップは、詐欺の可能性を疑おう

 それぞれの手口を見ていきましょう。まず、約5000円の被害を受けたショッピング詐欺についてです。以前、筆者も甥っ子へポケモンカードをプレゼントしようとネットで検索したところ、軒並み売り切れていました。さらに検索して探してみると、これは詐欺だろうと思われるショップが、いくつも見つかりました。人気のある商品だけに、ネット詐欺師も目を付けやすいのでしょう。

 ショッピングサイトを利用する際に、詐欺にあわないためにまずチェックしておきたいポイントは、支払い方法です。雅美さんは「クレジットカード支払いは怖い」と考えていたようですが(お金を使った実感なく大きな買い物をしてしまう、リボ払いの金利など、クレジットカードの怖さに心当たりがある人もいるでしょう)、信頼できる相手と取引するという意味では、カード支払いの方が安心できます。ショップがカード支払いを利用可能だということは、カード会社による加盟店審査を通過していると判断できるためです。

 詐欺サイトでは、銀行振り込みによる決済がよく利用されます。トップページではクレジット支払い対応と書いていても、実際に決済するときになると、何かと言い訳を付けて銀行振込をさせようとするサイトもあるので、注意してください。特に、振込先が個人口座になっていたら、ネット詐欺と考えたほうがいいでしょう。

電子マネー支払いでないのに「電子マネーで返金します」は詐欺!

 続いて、PayPayの返金詐欺についてです。商品が欠品したなどの理由を付けて、PayPayやLINE Payなどの電子マネーで返金すると言ってくるショップは、その後誤った操作をさせ、不正な入金をさせようとする詐欺の常套手段だと考えてください。

 こうした詐欺は、送金を要求するQRコードを簡単に送信できることから、PayPayなどのコード決済サービスをよく利用します。一般的な手口では、購入した商品代金と同じ金額を請求するQRコードを「返金のため」として送り、送金させようとします。

 ユーザーが説明をよく読まず、「返金を受け取るため」だと思って手続きをしてしまうと、送金をしてしまうのです。

 今回、雅美さんが遭遇したケースは、さらに悪質でした。PayPayにロックがかけられているという理由を付けて、銀行口座の登録や、残高の情報を確認したのです。その上で、犯人の口座へ送金するコードをLINEで共有し、送金する金額を暗証番号と偽り、雅美さん自身に入力させたのです。

 こうした返金詐欺の被害に遭わないためには、「○○ペイ」の電子マネーで返金すると言われた時点で、詐欺を疑うことが一番です。銀行振込したのに、他の方法で返金するというのは、そもそも変です。次に、画面の説明をよく読みましょう。「返金のため」と言われていながら、よく見たら送金モードになっているはずです。

 ショッピング詐欺が横行しているので、どんな商品であっても、信頼できるショップで購入することが効果的です。掘り出し物を売っている知らない名前のネットショップを見つけても、ラッキーだと思わず、詐欺を疑うようにしてください。そして、銀行振り込みしか利用できないショップや、電子マネーで返金すると言ってくるショップは、詐欺の可能性を疑いましょう。

 こうしたショッピング詐欺も返金詐欺も、あらかじめ手口を知っていれば注意し、回避できます。家族内で情報を共有しておくと、未来の被害を回避できる可能性が高まります。

あなたの両親も“ネット詐欺”の餌食になっているかもしれません――その最新の手口を広く知ってもらうことで高齢者のデジタルリテラシー向上を図り、ネット詐欺被害の撲滅を目指しましょう。この連載では、「DLIS(デジタルリテラシー向上機構)」に寄せられた情報をもとに、ネット詐欺の被害事例を紹介。対処方法なども解説していきます。

高齢者のデジタルリテラシー向上を支援するNPO法人です。媒体への寄稿をはじめ高齢者向けの施設や団体への情報提供、講演などを行っています。もし活動に興味を持っていただけたり、協力していただけそうな方は、「dlisjapan@gmail.com」までご連絡いただければ、最新情報をお送りするようにします。

※ネット詐欺に関する問い合わせが増えています。万が一ネット詐欺に遭ってしまった場合、まずは以下の記事を参考に対処してください
参考:ネット詐欺の被害に遭ってしまったときにやること、やってはいけないこと