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CortanaがMacにやってきた――Mac向けVMソフトの新バージョン「Parallels Desktop 11 for Mac」

開発者やデザイナー向けの「Pro」版追加、Visual Studio用プラグインを用意

 Parallels Japanは、Mac用仮想マシン環境ソフトウェア「Parallels Desktop 11 for Mac」を発表した。アップデート版は19日より販売開始、店頭販売は26日より実施する。

「Parallels Desktop 11 for Mac」の実行画面。Windows 7、Windows 8.1、Mac OS X LionをYosemite上で同時起動させている

 Parallels Desktop 11では、Windows 10とMac OSの新バージョン「El Capitan」をサポート。ベータ版ではあるがEl Capitan上での動作にも対応した。また、前バージョンのParallels Desktop 10と比較してパフォーマンスがアップしており、Windowsの起動とシャットダウンのスピードが最大50%、Windows内のファイル操作が最大25%高速化。ネットワークのパフォーマンスも向上している。

 新たにバッテリー駆動時間を延長する「トラベルモード」を搭載。Windowsの挙動をParallels Desktop側で調整し、パワーを消費するWindows Updateなどを抑制するという。電源に接続すると自動で解除される。これにより、バッテリー持続時間が最大25%延長するという。日本語キーボードでの操作性も向上している。

 Parallelsでは、Macならではの機能をWindowsでも利用できる。今回、一部のMacに採用されている感圧タッチ(Force Touch)に対応したほか、プレビュー機能「Quick Look」をWindows内のドキュメントやファイルに拡張。最近使用したファイルのリスト表示機能も、Windowsのアプリケーションやクラウドサービスに拡張した。

 一方で、Windows 10に搭載されたパーソナルアシスタント「Cortana」がMacとWindowsの両方で利用可能となった。Mac上のアプリケーションやファイルなどもCortanaに話しかけるだけで参照する。現在地を尋ねた際に表示される地図はMac向けのものだ。

 米Parallelsシニアプロダクトマネージャーのカート・シュマッカー氏は、「まだMac用のSiriが存在しないため、Mac上でパーソナルアシスタントを利用したい場合はCortanaがある」としている。なお、Windowsの機能をMacで利用できるようにしたのは今回が初の試みだという。これまでMacの機能が“クール”であったため、Windowsの機能をMacに移すことはなかったとしているが、今後もWindowsで有用な機能があれば、Macで使えるようにしたいとしている。

米Parallelsシニアプロダクトマネージャーのカート・シュマッカー氏
Parallelsユーザーは、Windowsのウィンドウを消してアプリケーションの画面のみ表示させる「コヒーレンスモード」の使用頻度が高いという。Windows 10で一新されたアクションセンターもコヒーレンスモードに対応する
Macの「Quick Looks」機能をWindows内のドキュメントにも適用
Windows 10に搭載されたパーソナルアシスタント「Cortana」がMac上で利用できる。現在地に使用されている地図はMac用のもの
CortanaでMacのファイルやアプリケーションを呼び出すことができる
「WindowsとMac、どちらが優れていると思う?」という質問に対しては、「どちらにもいいところはあるけれど、もちろん分かっているでしょ?(英語)」と返答し、発表会場の笑いを誘った

 今回、製品ラインナップに、開発者やデザイナー、パワーユーザー向けに特化して設計した新エディション「Parallels Desktop 11 for Mac Pro Edition」を追加した。DockerやVisual Studio、Chef、Jenkins、Vagrantなどの開発ツールと連携。Visual Studioでは専用のプラグインを提供し、仮想マシン内でアプリケーションを高速にデバッグできるほか、特定の仮想マシン上でデバッグ可能。また、ネットワークシミュレーション機能をサポートし、10%パケットロスするといった不安定な状態でのテストも可能だ。

 64GBまでのRAMの拡張や16CPUに対応し、パフォーマンス向上を実現。また、「ヘッドレス」モードを搭載し、UIなしにバックグラウンドで仮想マシンを実行できる。そのほか、BoxやDropbox for Business、OneDrive Businessといったクラウドサービスをサポートする。Pro Editionには、専任のサポートエンジニアによる日本語サポートも提供する。

 また、「Parallels Desktop for Mac Enterprise Edition」を「Parallels Desktop for Mac Business Edition」に名称変更。Pro Editionの全機能が含まれるほか、Macを使用している従業員がWindowsアプリケーションを利用したり、IT管理者がエンドユーザーの仮想マシンを制御・管理することができる。ライセンスの有効期限や使用状況の統計値などを管理・運用できる「Parallels License Management Portal」も利用できる。

「Visual Studio」向けプラグインを用意し、仮想マシン上で開発したアプリケーションのデバッグを、別の仮想マシン上でテストすることができる
3エディションの機能比較
「Parallels Desktop 11 for Mac」の主な機能
「Parallels Desktop 11 for Mac Business Edition」の主な機能

 価格(税込)は、Parallels Desktop for Macの通常版が8500円、USBメディア版が9500円、5ユーザーライセンス版が3万7800円、アカデミック版が6000円。Parallels Desktop 11 for Mac Pro Editionはサブスクリプションライセンスに移行しており、1年で1万800円。Parallels Desktop dor Mac Business Editionは1年で1万円より。また、Parallels Desktop 9/10からParallels Desktop 11 for Macへのアップグレードが5300円。Pro Editionへのアップグレードも同額だ。

価格一覧

(山川 晶之)