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NTT東日本の現場力向上へ、最大20kgの重量物を運搬できるドローン投入、メガネ型ウェアラブルデバイス、可視光通信技術も披露

 東日本電信電話株式会社(NTT東日本)は20日、東京都調布市にある同社の研修センターで「現場力向上フォーラム」を開催した。

 現場力向上フォーラムは、電気通信設備の保全に要するスキルの継承、ノウハウの水平展開を目的に、技能競技会や技術のデモンストレーションなどを行うもので、今年で9回目の開催。NTT東日本や関連会社の社員など約6700人が来場するイベントとなっている。

大型の新機種や超音波を使ったドローンの新機能を公開

 マルチヘリ(ドローン)に新たに追加された衝突防止機能と大型機による重量物の運搬デモが公開された。大型機本体の大きさは直径約1.2m、最大積載量20kg(既存機体は1.2kg)。飛行距離は安全性、バッテリーの問題を考慮して15分間を限度としている。

大型機による運搬デモでは、ケーブルが巻かれた20kgのドラムを持ち上げてケーブルを這わせる作業を実演。当日は風が強かったため、高度を下げて飛行させた
現行機は昨2015年3月から導入されている
春に向けて導入する予定の大型機。東日本6事業部に1台ずつ導入する

 衝突防止デモでは、衝突防止機能によりドローンを壁へ接近させると自動でブレーキが作動して衝突を回避できた。本機能は機体の四方に搭載されている「超音波センサー」「ステレオカメラセンサー」を用いて、障害物や人に近づいた状態でも衝突を回避することが可能。これまで基本制御はGPSによる位置補正機能を使っていたため、橋梁の下などGPS信号を受信できない場所での飛行が課題となっていた。今後は鉄塔やビルなどの設備点検業務への利用拡大を目指す。

超音波センサーは50cm〜2mの距離を設定することができるため、人が近づいても自動的に離れる。これにより屋内でも訓練できるようになるという
壁に向けて前進させると急ブレーキをかけて衝突を防いだ
リアルタイムでカメラの映像をモニターに表示
バッテリー切れにより、飛行を中断する場面も。業務では飛行時間は15分間を上限としている

ウェアラブル端末を使用した保守運用業務の効率化

 マッピング技術、可視光センサー、映像コミュニケーションによる作業支援のデモでは、照明無線LANやメガネ型ウェアラブルデバイスなどが公開された。

 保守運用業務において、現地作業員はオペレーターとのコミュニケションが欠かせないが、電話による音声のやり取りだけでは的確な指示を出せない問題があるという。そこで、ID付きLEDによる作業架特定、IP-LEDを利用した経路誘導、可視光通信(照明無線LAN)を使った資料ダウンロードなどで業務効率化を図る。現在は基本的な機能の検証・評価段階にあるが、9月以降は商用導入に向けた検証も行う予定だ。

コンセプトイメージ
各ID付きLEDに端末をかざすと、NTT東日本やgooのホームページが表示された
メガネ型ウェアラブル端末
作業員は作業中の映像をリアルタイムで送信することや、オペレーター側の端末から文字・画像を用いた情報を受信することができる

通信設備の故障箇所特定、復旧作業のコンテスト実施

 NTT東日本の各支店や協力会社など各現場から選抜された社員が、ケーブルの修理技術を競うコンテストが開催された。競技形式で技能・ノウハウを競い合うことで、スキル向上や質の高いサービス提供を目指す狙いがあるという。

 ベテラン社員と若手社員の2人組がペアになり、宅内から宅外の光ケーブル・光クロージャーに至るまでの通信設備から「フレッツ光ネクスト(ファミリータイプ)」の故障箇所を特定し、復旧作業を行う。技術の正確性や作業時間、安全性、完成度が審査のポイントになる。

通信ケーブルの修理技術の正確性や作業時間、安全性などを競うコンテスト
修理作業に使われる工具や設備
競技会は活気にあふれており、人だかりができていた

(磯谷 智仁)