「ノートン 360」新バージョン、ファイルの安全性評価が可能に


「ノートン 360 バージョン 4.0」パッケージ
「ノートン 360 バージョン 4.0」メイン画面

 シマンテックは23日、個人向け総合セキュリティソフトの新製品「ノートン 360 バージョン 4.0」のダウンロード版を発売した。価格は8480円。対応OSはWindows 7/Vista/XP。パッケージ版は26日発売で、店頭小売価格はオープンプライス。いずれもライセンス有効期間は1年間、3台のPCまでインストール可能で、2GBのオンラインストレージが利用できる。25GBのオンラインストレージが利用可能な「プレミアエディション」(ダウンロード版9980円)などのラインナップも用意する。

 ノートン 360は、ウイルスやスパイウェアからPCを保護する「PCセキュリティ」、個人情報を保護する「IDプロテクション」、ファイルをオンラインストレージに自動保存する「バックアップ」、PCを最適化する「PCチューンナップ」の4機能で構成される。

 「PCセキュリティ」では、2009年9月に発売した「ノートン インターネット セキュリティ 2010(NIS2010)」のレピュテーション技術をはじめとする全機能を搭載。レピュテーションは、ユーザーのPCにあるファイルの作成時期やダウンロード元などをもとに安全性を評価することで、ユーザーはそのファイルを実行すべきか、あるいは削除すべきかどうかを判断できるという。

 ファイルのレピュテーションに当たっては、PC内のファイル情報を匿名で送信することに同意した約3300万人のユーザーで構成される「ノートン コミュニティ ウォッチ」の情報を活用。レピュテーションの情報は随時更新されており、2009年9月のリリース以来、1770億件を超えるファイルの安全性を評価しているという。

シマンテックの風間彩氏(コンシューマ事業部門リージョナルプロダクトマーケティングシニアマネージャ)
リンク総合法律事務所の紀藤正樹弁護士

 「バックアップ」に関しては、2009年12月に提供を開始した「ノートン オンラインバックアップ 2.0」の機能に対応。ファイルのリンクを任意のユーザーにメールで送信することでファイルを共有できるほか、バックアップしたファイルの旧バージョンを最長90日間保存する「ファイルバージョニング機能」などが利用できるようなった。

 また、スマートフォンからオンラインストレージにアクセスできる無料アプリを「App Store」および「Android Market」で公開した。現時点では英語のベータ版のみだが、今後は日本語化も検討する。シマンテックの風間彩氏(コンシューマ事業部門リージョナルプロダクトマーケティングシニアマネージャ)は、「従来のオンラインバックアップは『いざという時』のためだったが、ノートン360 では場所や時間を問わずファイルにアクセスできる」と利便性の良さを訴えた。

 「PCチューンナップ」については、PCに電源を入れた際に自動的に起動するアプリケーションを管理することで、PCのパフォーマンスを向上させる「起動マネージャ」を強化。アプリケーションの安全度や利用者数などを提示することで、そのアプリケーションを起動時のリストから外すかどうかを判断できるようにした。なお、アプリケーションの情報は「ノートン コミュニティ ウォッチ」の情報を活用している。

 バージョン 4.0ではこのほか、スキャンの対象をリスクのあるプログラムのみに絞り込む「ノートン インサイト」、GoogleやYahoo!などの検索結果の安全度を判定することで、ユーザーが危険なサイトを見分けられるようにする「ノートンセーフウェブ」、フィッシングサイトを自動的に遮断したり、ログイン情報やパスワードを暗号化して管理する「ノートIDセーフ」などを備える。

 23日に東京都内で開かれた記者会見では、リンク総合法律事務所の紀藤正樹弁護士が講演し、「ウイルス作者が逮捕されたのは過去に1件だけ。サイバーテロ的不正アクセスについては1件も摘発されていない」などとサイバー犯罪に対する取り締まりの現状を指摘。その上で、「インターネット上では自分の身は自分で守る意識が必要。その助けになるのがセキュリティソフトだ」と話した。


関連情報

(増田 覚)

2010/2/23 15:46