首都大学東京、「ドブス写真集」に関与の指導教員を諭旨解雇


 公立大学法人首都大学東京は6日、システムデザイン学部の学生が卒業制作に関連して作成した「ドブス写真集を作るその過程」と題した動画をYouTubeで公開した問題で、学生の指導的立場にあった教員の処分を発表した。同学部インダストリアルコース准教授の43歳の男性を諭旨解雇の懲戒処分とした。

 問題となった動画を作成した学生2人については退学、動画に音楽を提供した大学院生1人には停学1カ月の懲戒処分がすでに下されているが、引き続き調査した結果、映像制作過程において教員による関与があったことが判明したという。

 同大学によれば、この准教授は、自らのゼミにおいてこの動画を視聴した際、その内容の不適切さを認識し、動画サイトへの投稿については制止の指示をしたものの、制作の継続については容認するかのような発言を行うなど、教育指導が不十分だったとしている。

 このほか、この動画への直接的な関与は認められなかったが、学生らが制作した別の映像(「募金」に関するもの)に関してインターネット上で不用意な発言をし、同校への非難を引き起こしたとして、同じくインダストリアルコース准教授の46歳の男性を訓告処分とした。また、システムデザイン学部長とインダストリアルコース長を厳重注意とした。

 首都大学東京ではあわせて、システムデザイン学部インダストリアルコースでの教育内容の検証と改善を進めるため、学部長をトップとする再発防止対策委員会を設置。外部専門家を含む「アート教育倫理委員会(仮称)」を設置し、芸術教育の内容の検証などを行う。さらに大学全体でも、人権・倫理意識の向上や情報倫理の徹底を図るとしている。


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(永沢 茂)

2010/7/6 19:34