電子書籍もネット経由で貸し出し可能、大日本印刷が電子図書館ASPサービス


 大日本印刷株式会社と同社子会社であるCHIグループ株式会社は4日、図書館向けの電子図書館サイト構築・運用サービスを開始すると発表した。

 出版社の書籍コンテンツのデジタル化や使用許諾、配信も一括で提供。紙の書籍と電子書籍を融合したハイブリッド型図書館検索を実現するとしており、利用者は、各図書館の貸し出しシステム上で借りたい書籍を検索した後、紙または電子書籍のどちらかを選択する仕組み。会員IDとパスワードを入力することで自宅のPCからも利用可能で、電子書籍の貸し出し手続きを行い一定期間閲覧することもできる。


ハイブリッド型図書館検索の画面イメージ

 株式会社モバイルブック・ジェーピーと協力し、出版社から利用許諾を得た自然科学・人文社会関連の書籍や、実用書、教育・学習関連の練習問題集など、約5000タイトルの電子書籍を図書館向けに配信・販売する。

 なお、電子図書館サービスではPDFやXMLなど、さまざまなフォーマットに対応するほか、Flashへの対応や動画の配信も行えるという。DRMも提供する。

 このほか、各図書館が保有する郷土資料や貴重書、論文、独自コレクションなどをデジタルアーカイブとしてインターネットで公開することも可能。

 電子図書館サイト構築・運用ASPサービスの月額利用料は5万2500円からで、利用者数によって異なる。また、図書館向けに販売する電子書籍は、1タイトルに対して1ライセンス与える「都度購入方式」となっており、同じタイトルについては購入数分の同時貸し出しが可能になる。今後、「月額固定方式」や「従量課金方式」なども検討するという。

 さらに今後はビジネス系実用書や専門書を中心に和洋書1万タイトル以上の電子書籍を揃える計画。2011年度には、読書専用端末やiPadなどでの利用にも対応する方向で検討しているという。5年後に500館へ導入、20億円の売り上げを目指す。


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(永沢 茂)

2010/10/5 11:55