電子書籍の“中間フォーマット”、仕様案をダウンロード公開


「電子書籍交換フォーマット標準化会議」のサイト

 一般社団法人日本電子書籍出版社協会(電書協)は17日、策定中の「電子書籍交換フォーマット」の仕様案(β2版)を公開したと発表した。「電子書籍交換フォーマット標準化会議」のサイトより、PDFファイル(A4・87ページ)をダウンロードできる。

 電子書籍交換フォーマットとは、「現有の日本語テキスト系電子書籍フォーマットの日本語表現に関する各種機能を包括する、電子書籍データの交換を目的としたXMLフォーマット」と説明されている。いわば異なるフォーマット間でのデータ変換を容易にするためのもので、これまで“中間フォーマット”などとも呼ばれていた。1つのコンテンツを多種多様な端末やプラットフォームで展開しやすくなることが期待できる。

 日本語の電子書籍は現状、ボイジャーの.bookとシャープのXMDFというフォーマットによるものが多いとしており、電子書籍交換フォーマットは主にこれらの機能を中心に設計されているという。ただし、その他のフォーマットへの変換も考慮した仕様になっているとしている。

 電子書籍交換フォーマットの標準化プロジェクトは、電書協が代表となって、総務省の「新ICT利活用サービス創出支援事業」の1つとして進めているもの。東京電機大学、シャープ、大日本印刷、凸版印刷、ボイジャーなども参画している。

 プロジェクトでは、電子書籍交換フォーマットの策定・実証を行うことが目的だが、これに加えて「その普及や国際標準化のための道筋をつけることも視野に入れている」という。

 電子書籍交換フォーマット標準化会議のサイトでは、FAQなども掲載し、同フォーマットの目的などを説明している。


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(永沢 茂)

2011/2/18 18:08