グーグル、被災地にまつわる写真・動画の共有サイト「みらいへのキオク」開設
被災企業を支援する「東日本ビジネスサイト」も
グーグル株式会社は16日、東日本大震災の復興支援の取り組みとして、被災した企業の営業活動を支援する「東日本ビジネス支援サイト」と、被災地にまつわる写真や動画などをユーザーが投稿して共有できるサイト「みらいへのキオク」の開設を発表した。
●被災地の店舗・企業の情報を動画でも紹介する「東日本ビジネス支援サイト」
グーグルでは、4月27日から提供している被災地の店舗や企業の最新情報を紹介する「ビジネスファインダー」に加えて、新たにYouTubeで被災店舗・企業の動画を紹介する「ビジネス支援チャンネル」を開設。これらのサービスを含め、被災地の店舗・企業向けに提供する支援サービスの総合サイトとして「東日本ビジネス支援サイト」を開設した。
東日本ビジネス支援サイト | 「ビジネスファインダー」とYouTubeの「ビジネス支援チャンネル」の情報を掲載する |
ビジネスファインダーは、個々の店舗や企業などの場所に関する情報のまとめページ「Googleプレイス」を活用し、被災地域の店舗・企業のオーナーがメッセージを登録することで、状況をアナウンスできるサービス。ユーザーのコメント投稿も可能で、各企業・店舗の状況を共有することができる。各店舗・企業のページは、県名や市町村名、店舗名、企業名、業種などのキーワードなどで検索できる。
ビジネス支援チャンネルは、地元の新聞社との協力により、被災地域の商品やサービスを紹介する動画を掲載する。青森県の東奥日報社、デーリー東北新聞社、岩手県の岩手日報社、岩手日日新聞社、宮城県の河北新報社、福島県の福島民報社、茨城県の茨城新聞社の7社が協力し、各社が取材した動画を掲載する。
動画は各地の店舗・企業のサービスや商品を紹介するもので、動画の最後には各企業・店舗へのリンクなどが埋め込まれている。また、提携する屋外ビジョンでも動画が再生される予定で、既に東京・新宿スタジオアルタのアルタビジョンとの提携が決まっている。
現在、約60本の動画が掲載されており、今後はさらに地元のテレビ局や支援活動を行っているNPOなどにも協力を呼びかけるほか、被災地の店舗・企業自身が動画を掲載できる仕組みを作っていくことで、動画を増やしていくとしている。
プロダクトマーケティングマネージャーの長谷川泰氏は、「被災地域の企業・店舗の営業情報が届いていなかったり、風評被害があったりという現状を目の当たりにしてきた。YouTubeのチャンネルでは『東日本営業中!』をスローガンに掲げているが、まずは営業を再開している企業・店舗への支援として、今回の取り組みを開始した」と説明。今後はさらに動画をはじめとしたコンテンツを増やしていき、東日本の経済復興を応援したいと考えている人たちにこれらの情報を届けていきたいと語った。
YouTubeの「ビジネス支援チャンネル」 | 被災地の新聞社7社が協力 |
新聞社が取材・撮影した動画を掲載する | プロダクトマーケティングマネージャーの長谷川泰氏 |
●被災地の写真・動画をユーザーで共有できる「みらいへのキオク」
みらいへのキオク |
発表されたもう1つの復興支援サイトは、ユーザーが提供した被災地の写真や動画をコメントなどを付けることで共有できるサイト「みらいへのキオク」で、16日からユーザーの投稿受け付けを開始した。各画像の閲覧・検索は5月下旬から可能となる予定。
グーグルでは、「震災で多くの思い出の写真や動画がなくなってしまった」「地元に根づいた文化や風土が失われてしまうのでは」「この体験を伝えたい」といったユーザーの声に応える形で、「ユーザー参加により“記憶を未来への力”に変えていくためのプラットフォーム」として「みらいへのキオク」のプロジェクトを立ち上げたと説明した。
16日には専用サイト(http://www.miraikioku.com/)を公開し、ユーザーからの投稿受け付けを開始した。サイトからは写真や動画をアップロードし、タイトル、コメント、タグ、撮影日と、地図から場所を指定することで投稿できる。写真にジオタグが付いている場合には、自動的に投稿フォームの位置情報に反映される。
投稿した写真や動画は、PicasaとYouTubeにアップロードされる形となり、写真や動画には自動的に「miraikioku」というタグが付与される。「みらいへのキオク」では、このタグを持つ写真や動画を地域別などに整理して、ユーザーがコメントなどを付けられるようにして共有するもので、PicasaやYouTubeにアップロードする際にユーザーが自分で「miraikioku」タグを付けることでも参加できるほか、今後は他社の写真・動画共有サイトとも「miraikioku」タグで連携していく予定としている。
16日時点では投稿の受け付けを開始した段階で、写真や動画の閲覧は5月下旬から行えるようになる予定。サイトでは、地図や県名・キーワード、撮影日などによる写真や動画の検索ができ、それぞれの写真や動画にコメントすることで、ユーザー間でその場所や時間、出来事に関する記憶を共有できるようにする。
また、グーグルに対しては、「ストリートビューで過去に撮影した画像も保存してほしい」という要望も多く寄せられたとして、衛星写真なども含めてそうした方向で検討していることを明らかにした。
サイトから写真をアップロード | 日付や場所を指定して投稿 |
タグ「miraikioku」で他サービスとも連携 | 地図やキーワードで検索が可能 |
詳細ページで情報の閲覧やコメントが追加できる | タグによる一覧表示も可能 |
関連情報
(三柳 英樹)
2011/5/16 21:23
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