「Kinect for Windows」商用向けパッケージを2月1日発売、日本含む12カ国で


 米Microsoftは9日、「Kinect for Windows」の商用利用向けパッケージを米国や日本を含む12カ国で2月1日に発売すると発表した。米国での希望小売価格は249ドル。なお、当初は数量限定になるという。今年後半には、アカデミック向けに149ドルの価格も設定する予定。

 Kinect for Windowsは、モーションコントローラー「Kinect」のハードウェアと、ソフトウェア開発キット(SDK)やランタイムなどの付随ソフトウェアのほか、1年間の保証と開発中の機能のソフトウェアアップデートが含まれる。対応OSは、Windows 7に加え、Windows 8 Developer Preview(デスクトップアプリのみ)もサポートする。

Kinect for Windows

 Kinectはもともと、Microsoftの家庭用ゲーム機「Xbox 360」向けに、体の動きでゲームを操作するコントローラーとして発売された製品だ。2011年には1800万台を売るヒット商品になったという。

 その一方で、体の動きを追跡してジェスチャーを認識したり、音声を認識するという“ナチュラルユーザーインターフェイス(NUI)”の可能性に対して、医療はじめゲーム以外の分野でも注目が高まり、Microsoftは2011年6月より「Kinect for Windows SDK」のベータ版を提供開始。非商用アプリケーションの開発や学術・研究においてKinectをWindowsで活用できるようにするとともに、2012年の早い時期に商用利用可能な製品を提供することも明らかにしていた。

 Kinect for Windowsの公式ブログでは、「Kinect for Xbox 360」との価格が異なる利用について説明している。それによると、Kinect for Xbox 360ではサポート対象がXbox 360のみであるのに対して、Kinect for Windowsの利用場所はリビングルーム以外にも多岐にわたるため、新機能を開発・提供することなどを挙げている。例えば、Windows環境においては近距離で認識できるカメラおよび機能が必要であり、そのための「Near Mode」がまず提供される。

 このほか、Kinect for Windowsはハードウェア販売モデルを採用し、SDKやランタイムのライセンス料を不要にすることで、開発者にアプリの開発を促したいというスタンスも示している。

 なお、新たに提供されるSDKおよびランタイムの利用には、Kinect for Windowsに含まれるKinectハードウェアが必要となり、非商用利用であっても、Kinect for Xbox 360との組み合わせで実装することは認められない。新しいソフトウェアを実装したい場合は、非商用利用の場合も、商用向けパッケージのKinectを利用する必要がある。

 一方で、商用向けパッケージの発売後も、従来のSDKのベータ版とKinect for Xbox 360の組み合わせによる、既存の非商用の実装が継続して利用されることも想定されるため、Microsoftでは、SDKのベータ版のライセンス提供期間を3年延長し、2016年6月16日までとすることも発表した。


関連情報


(永沢 茂)

2012/1/10 15:21