計算知識エンジン「Wolfram|Alpha」有料版公開
60種以上のデータファイルの自動解析・結果ダウンロードが可能
米Wolfram Researchの子会社で計算知識エンジンを開発しているWolfram|Alpha LLCは8日、計算知識エンジン「Wolfram|Alpha」に基づいた新有料サービス「Wolfram|Alpha Pro」を公開した。
このサービスでは、60以上のデータフォーマットファイルをアップロードして自動的に解析を行い、計算結果を60以上のフォーマットでダウンロードできる。料金は会費制で月額4.99ドル、学生は月額2.99ドル。現在、無料で14日間の試用が可能だ。
Wolfram|Alpha Pro |
Wolfram|Alphaではこれまで、自然言語による質問を入力し、蓄えられた知識を数学または統計学のアルゴリズムなどのさまざまな手法で解析し、計算結果を表示するサービスを無料で提供してきた。iPhone/iPad/iPod touch、Android、Nook向け有料アプリも提供している。
有料サービスのWolfram|Alpha Proでは、さらに60以上のデータフォーマットを入力データとして直接アップロードし、自動的に解析できるようになった。
創業者兼CEOのSteven Wolfram氏は「我々の目標は、最高のデータサイエンティストがユーザーのデータを与えられたときに行うであろうことを、数秒で自動的に行えるようにすることだ」と説明している。
現在対応しているフォーマットとしては、表計算に使われるXLS/CSVなどのデータファイル、XML/MathMLなどのドキュメント、JPEG/WAV/EPSのような画像・音声・ベクターグラフィックスをはじめ、医学、化学、3Dモデリング、数式フォーマットなど多岐にわたっている。
アップロードされたデータは、自動的にどのような種類のデータであるかが認識され、計算結果をグラフにして表示したり、ユーザーが分析可能な状態にして表示する。これが可能なのは、Wolfram|Alphaの中にさまざまな種類のデータに関する膨大な知識が保存されているため、データの中に地名や通貨など理解できるものが含まれていた場合、どのように表示または分析すればよいかを判断できるからだ。そしてそれらを自動的に地図上にプロットしたり、時系列グラフを表示するなどの分析を行うことができるとしている。
こうした計算結果は、60以上のフォーマットでダウンロードすることが可能だ。ダウンロードできる方法として、画面そのままをPDFでダウンロードするほか、3Dグラフィックスの場合には3Dモデリングプログラムで利用できる生データにしたり、画像・音声フォーマットも選択できる。
また、Wolfram Researchが開発したCDF形式でもダウンロードできる。この場合、無料のWolfram Playerを使用することによって、データをインタラクティブに操作したり、計算することも可能だ。
Wolfram|Alpha Proでは、ユーザーの利用履歴、お気に入り登録、デフォルトの表示形式の登録、数式入力のためのスクリーンキーボードなどの機能も利用できる。
関連情報
(青木 大我 taiga@scientist.com)
2012/2/10 12:08
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