自社ブランドのリーチと露出を増やす、Twitter広告「プロモ商品」とは


 Twitter Japan株式会社は22日、2011年10月にスタートした広告メニュー「プロモ商品」に関する説明会を開催。プロモ商品に含まれる「プロモアカウント」「プロモツイート」「プロモトレンド」の3商品の概要や現状を紹介するとともに、プロモ商品でリーチ率を高める方法などを解説した。

プロモ商品の概要

質の高いフォロワーを獲得できる「プロモアカウント」

Twitter Japan営業戦略統括の葉村真樹氏

 プロモアカウントは、フォロワー数の獲得を目的とした広告商品。フォローするユーザーを推薦する「おすすめユーザー」画面の最上部に、広告主のTwitterアカウントが表示される。

 Twitter Japan営業戦略統括の葉村真樹氏によれば、プロモアカウントは広告主のフォロワーと似たユーザーを対象に表示する。フォロワーと似たユーザーとは、「広告主の既存フォロワーと似たアカウント」をフォローし、なおかつ広告主をフォローしていないユーザーが該当する。

 プロモアカウントは、フォローされた際にのみ課金が発生する。1フォロワーあたりの広告料金はオークションで決まり、最低金額は40円から。競合がある場合は入札額やフォロワー数の多さなどをもとに落札者が決定する。落札金額は「80~100円くらい」という。

 企業のフォロワー獲得施策はこれまでにもいろいろあったが、「そのほとんどは1フォロワーあたりの獲得コストが350~400円くらいかかっていたと聞いている」と葉村氏は語る。また、プレゼントキャンペーンでフォロワーを獲得する施策もあるが、結局フォロワーはプレゼント欲しさにフォローしていることが多いという。

 これに対してプロモアカウントは、そのアカウントに興味を持った人だけがフォローするのが特徴だ。葉村氏は「純粋にその企業が発信する情報が欲しいと思った人だけがフォローするので、フォロワー自体の質が高い状況がある」と説明する。

リーチ率を飛躍的に増やす「プロモツイート」

 プロモツイートは、検索結果またはユーザーのタイムラインに広告主のツイートを掲載できる商品だ。タイムラインに掲載する場合は、広告主のフォロワーに加え、プロモアカウントと同様に広告主のフォロワーと似たユーザーが対象となる。

 プロモツイートは、ユーザーがTwitterにログインしたとき、もしくはホームページを更新したときに、ユーザーのタイムライン上の「1~4番目に近いところ」に表示される。
その後は、他のツイートのように流れていく仕組みだ。

 葉村氏によれば、企業がフォロワーに向けてツイートする場合、メッセージが届くのは多くてフォロワーの2割程度にとどまる。例えば、ある時間帯にツイートを投稿した場合、その時間帯にフォロワーがTwitterにログインしていなければツイートが流れるため、多くのフォロワーにメッセージを届けられないのだ。

 これに対してプロモツイートは、フォロワーがTwitterにログインする時間帯にかかわらず、フォロワーのタイムラインの上部にツイートが掲載される。「フォロワーに100%リーチできるという考え方で導入されている」。

 なお、プロモツイートもプロモアカウントと同様に、ツイートが表示されるだけでは課金されない。ツイートに対して「返信する」「リツイートする」「お気に入りに登録」「開く」といった“エンゲージメント”が行われた際に課金が発生する仕組みだ。広告料金はオークション形式で決まり、最低金額は40円から。1回のエンゲージメントあたり、70~80円ほどで落札されているという。

1日1社限定の「プロモトレンド」

 プロモトレンドは、Twitterのホーム画面左にある「トレンド」エリアの最上位に、指定したキーワードを表示する広告商品。プロモトレンドには「プロモーション」のマークが付いている。

 プロモトレンドをクリックすると、そのキーワードやハッシュタグの検索結果ページと、広告主のツイートなどが表示される。広告主は1日1社限定、1日(24時間)単位での課金となる。

 日本では、NTTドコモが初めてプロモトレンドを導入。2011年10月20日に開催した秋冬モデルの新製品発表会にあわせて「#ドコモ新製品発表」というハッシュタグを用いて実施したところ、多くのユーザーが同ハッシュタグを含むツイートを投稿したという。

 葉村氏によれば、NTTドコモが実施したプロモトレンドのクリック率は0.7%。通常の同社のバナー広告のクリック率は0.1~0.5%というだけに、高いクリック率だったことが伺える。さらに、クリックしたユーザーのエンゲージメント率は約3割に達するなど、反響が大きかったとしている。

NTTドコモが実施したプロモトレンドの概要

Twitter広告で自社ブランドのリーチ率を高めるには

 葉村氏によれば、Twitter上で自社ブランドのリーチと露出を増やすにはまず、多くのフォロワーを獲得する必要があると語る。そのためには、通常のツイートで興味を引くこともできるが、プロモ商品をうまく活用することでリーチ率を高められるという。

 「例えば、Twitterでブランドを検索するユーザーは多いが、そういう人には検索結果にプロモツイートを表示すればリーチすることも考えられる。さらに、タイムライン上にプロモツイートを掲載すれば、既存のフォロワーらにリーチできる。タイムラインに出す広告の在庫が無尽蔵なので、将来的にはTwitterでいちばん大型の広告商品になるだろう。」

リーチを増やすためのイメージ

 プロモ商品は現在、日本と米国、英国の3カ国で提供していている。広告主数は2011年11月に2400社に達し、現在も右肩上がりを続けているという。

プロモ商品広告主の推移

 また、すでに米国で提供されている「Twitterブランドページ」というものがある。ページ上に自社のバナー広告のような画像を表示したり、フォロワーに最も伝えたいツイートを常時タイムラインの最上部に掲載することが可能だ。「広告キャンペーンのランディングページとしても使える」といい、日本でも徐々に展開していく予定だ。

Twitterブランドページ

プロモ商品がテレビCMやイベント情報の拡散に使われる傾向も

 最近ではテレビCMにハッシュタグを表示してプロモーションを行う動きもある。例えば、NFLの優勝決定戦「スーパーボウル」では、同番組中に流れたCMの2割にハッシュタグが使われていた。自動車メーカーのAudiは、スーパーボウルでCMを放映後、1分間でハッシュタグを含むツイートが2万件投稿されたという。

 葉村氏は、「1分間しか見られないのが従来のスーパーボウルのCMだった。しかし、ハッシュタグを付けることで、効果が瞬間だけではなく、時間をずらして多くの人に見られるようになった」と述べ、ハッシュタグ付きCMに情報拡散効果があることを説明。今後は、テレビCMやイベントの情報を拡散する装置としてTwitterが利用されるのではないかと語った。


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(増田 覚)

2012/3/23 06:00