“書き手の感性を刺激”新機能「感太」を搭載した「一太郎2013 玄」

　株式会社ジャストシステムは4日、日本語ワープロソフト「一太郎2013 玄（げん）」を発表した。価格は2万1000円。対応OSはWindows 8/7/Vista/XP。発売日は2012年2月8日。

　書き手に執筆の糧となるインスピレーションを与えるという新機能「感太」を新たに搭載。文章の内容や執筆中の季節・時間帯などに応じて、言葉と写真を組み合わせたカードを一定の周期で切り替えて自動提示することで、書き手の感性を刺激するという。言葉は季節や気象状態、色の表現、オノマトペなど2000語を収録。写真はアマナイメージズが提供し、電子出版などでの商用利用も可能。

感太のイメージ

　電子書籍フォーマット「EPUB 3」の出力機能では、表示する環境にあわせて文字や図を適切に再配置する「リフロー型」に加え、意図したレイアウトを保つためにページを画像化して出力する「固定レイアウト型」の保存に対応。重ね文字の画像化も行える。EPUBリーダーが参照するメタ情報の出力も刷新し、iBooksでは脚注が付いている文字にカーソルを当てると、脚注の内容をポップアップ表示するようになった。

固定型レイアウトの出力設定

固定レイアウト型での出力文書例

　EPUB 3の出力ではさらに、複数の写真とレイアウトのパターンを選ぶだけで、写真をきれいに一括配置するという「写真をまとめてレイアウト」機能を追加。設定ダイアログ上で写真をドラッグするだけで写真の配置を変えたり、写真に番号を付けることが可能となっている。ボタン操作で複数の画像枠の位置やサイズを一括調整したり、マウス操作で写真をトリミングする機能も追加した。

写真をまとめてレイアウトの設定画面

レイアウト枠への背景画像設定画面

　文書校正機能は設定の名称や設定値を見直し、「簡易」（誤字脱字のみ）や「だ・である調」「です・ます」調など、用途にあった設定を選びやすくした。指摘個所は文書中に色分けして表示するため、確認が必要な箇所や同じような理由で指摘されている箇所がひと目で把握できる。

　このほか、最新の日本語入力システム「ATOK 2013 for Windows」も搭載。SNSを通じてキーワードや短い単位で入力する機会が増えたことを考慮し、細切れ入力時に変換せずにそのまま入力してしまった、ひらがな部分の入力ミスを補正する入力支援機能を新たに追加した。

ジャストシステムのコンシューマ事業部企画部の大野統己氏

　ジャストシステムでは、グラフィックソフト「花子2013」、読み上げソフト「詠太3」、国語辞典「デジタル大辞泉 for ATOK」、活字書体「秀英体」を搭載した上位版「一太郎2013 玄 プレミアム」を2万6250円で、プレミアム版に音声認識ソフト「ドラゴンスピーチ11Ｊ」などを同梱した最上位版「一太郎2013 玄 スーパープレミアム」を3万4650円で同時発売する。

　同社コンシューマ事業部企画部の大野統己氏は、EPUB機能が一太郎の顧客層を拡大させていると説明。一太郎2013では、「個人創作時代の執筆スタイルを提案」「個人執筆者に出版社機能を提供」「レイアウトクオリティへの要求に応える」ことをコンセプトに開発したといい、個人向け電子書籍制作環境のデファクトスタンダードを目指すという。2013年春にはKindle形式の出力機能も提供する予定だ。