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「Adobe Creative Cloud」を企業などで導入できる「グループ版」登場

 アドビシステムズ株式会社は12日、クリエイティブ系ソフトウェア製品群を会費制で提供するサービス「Adobe Creative Cloud」のアップデートを実施した。新しいソフトの公開および既存ソフトの機能追加などを行うとともに、同サービスを企業などで導入できるワークグループ向けの「グループ版」サービスも開始した。

クラウド同期ソフト「Creative Cloud Connection」

 新たに提供するソフトとしては、「Creative Cloud Connection」がある。Windows 8/7とMac OS X 10.8/10.7に対応する常駐プログラムで、Creative Cloudで提供するオンラインストレージとローカルPCのファイルを自動的に同期させる機能を提供する。ローカルの「Creative Cloud Files」フォルダーにファイルなどをドラッグ&ドロップするだけでクラウド側に反映されるため、20GBのクラウドストレージをローカルフォルダーのように使えるとしている。

 なお、現在はプレビュー版という位置付けとなっており、さらにコラボレーション機能としてフィルダーの共有機能やグループへの共有機能を後日、実装する予定だ。

「Adobe Muse」にモバイル向けサイト構築機能を追加

 コードを記述することなくウェブサイトを制作できるソフトとして従来より提供している「Adobe Muse」には、モバイル向けサイト構築機能を追加した。

 Creative Cloudではこれまでも、モバイル向けサイト構築のための機能として、1つのソースコードで複数の解像度に対応するレスポンシブデザインを実現するためのソフトを提供していたという。Adobe Museはそれとは異なり、それぞれの端末に最適化したレイアウトのページを作成するアプローチとなる。

 例えば、すでにPC向けレイアウトで作成したサイトから、その背景画像やパーツなどを複製することで、タブレットやスマートフォンの画面サイズに合わせたレイアウトを作成でき、ナビゲーションボタンなどの構造も最適化される。逆にスマートフォンサイトからPCサイトを作成することも可能だ。こうした複数レイアウトで構成されるサイトを、Adobe Museの1つのプロジェクトの中で管理できるとしている。

「グループ版」ではライセンス管理が可能、ストレージ容量は100GB

 Adobe Creative Cloudのグループ版は、個人版として従来より提供していたソフト/サービスに加えて、ワークグループ管理やライセンス管理などの機能を追加したもの。また、クラウドストレージ容量は、個人版が1人20GBなのに対して、1人100GBに増量されている。専門家によるサポートサービスも提供する。

 料金は、個人版よりも月額換算で2000円高い7000円。支払いは、8万4000円の年間プランによる先行支払いのみで、料金請求もグループで一元化される。

 なお、ライセンスは企業などに対して購入した数だけ提供され、それを管理者が社員に割り当てる仕組み。個人版では、ライセンスはあくまでもその個人に対して付与される形式のため、仮に社員が退職してしてまっても後任者に引き継げなかったが、グループ版では社員やグループのメンバーが入れ替わった際にはラインセンス期間内であればそれを別の社員に移動することが可能だ。

 個人版と同様に、グループ版にも割引料金の特別提供版を設定している。CS3以上の単体/スイート製品のユーザーを対象に、初年度は月額換算5000円(年間プラン6万円)で提供する。

(永沢 茂)