ニュース

総務省が「スマートフォン安心安全強化戦略」、KDDIはツール提供

 総務省は、スマートフォンを安心・安全に利用できるよう、ユーザーの個人情報の扱い方などの指針をまとめた提言「スマートフォン安心安全強化戦略」を発表した。モバイル業界に対する提言で、これを受けてKDDIでは、スマートフォンアプリのプライバシーポリシーを作成できるツールを5日より提供する。

 2012年12月以降、総務省ではスマートフォン時代を迎えて、ユーザーが安心してスマートフォンを利用できるよう、有識者会合などで議論を進めてきた。その結果として今回発表された「スマートフォン安心安全強化戦略」は、ユーザーの個人情報の扱い方、青少年のアプリの利用など、課題をとりまとめ、アプリベンダーなどに向け対策などを行うよう提言している。8月2日までパブリックコメントを募集していたが、その結果を踏まえて、正式に公表された。

 総務省では今後、提言にあわせた施策を順次実施するとしている。

KDDI、開発者向けツールを提供

 5日、KDDIとKDDI研究所は、スマートフォンアプリのプライバシーポリシーの作成を支援するツールの提供を開始した。Android向けアプリの開発で利用でき、個人・法人問わず、無償で利用できる。

 総務省から発表された「スマートフォンプライバシーイニシアティブ」に準拠した内容で、アプリ本体と広告などの外部ライブラリを見極めて、ユーザー情報を収集するのがアプリ本体か広告か判別したりソースコードから外部へ送信される情報を検知して、プライバシーポリシーへ正しく反映できるという。また文章自体も、短くわかりやすいものになるよう配慮されている。

 KDDI研究所の調査では、情報を送信するアプリのうち、プライバシーポリシーを開示しているアプリは全体の25%に留まり、送信する内容が正しくユーザーへ説明されているアプリは11%になるという。また「スマートフォンプライバシーイニシアティブ」で提唱された項目を全て満たしつつ、送信情報を正しく説明するアプリは存在しないとのこと。

 今回、提供が開始されたツールは、こうした状況を改善する目的で用意されたもので、KDDIは今後もユーザーの不安を解消できる取り組みを進めていく方針。

(関口 聖)