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米MongoDB、1億5000万ドルの資金調達「Oracleに追いつく成熟度を目指す」

 データベース企業の米MongoDBは4日、複数の投資家から合計1億5000万ドルの資金調達を受けたと発表した。

 MongoDBは、「歴史上あらゆるデータベースベンダーへの資金調達の中で、NoSQLかどうかに関わらず、単一ラウンドの資金調達額として過去最高」だとしている。

 MongoDBは2007年の創業以来、合計2億3100万ドルの資金を調達。競争の激しいNoSQLデータベースの分野で他社を引き離しつつあり、今回の資金調達額はそれを裏付けた格好だ。

 リードインベスターは、プレスリリースで名称を明かさなかった「グローバル金融サービス企業」とT. Rowe Price Associates, Inc.の助言を受けたファンドとアカウントで、そのほかにAltimeter Capitalとsalesforce.comがラウンドに参加した。また既存出資者のIntel Capital、NEA、Red Hat、Sequoia Capitalもこれに加わった。

 今回調達した資金はMongoDBのコアプロジェクト、MongoDBを運用するためのツールとサービスである「MongoDB Management Services」、また世界中のユーザーをサポートするための活動に使用される。

 出資意図について、ベンチャーキャピタルSequoia CapitalのLuis Robles氏は「このラウンドによって、MongoDBは業界では群を抜く最強の製品、コミュニティ、チーム、財政的支援を受け、未来のデータベースとしての地位を確立することになる。MongoDBは競争の激しい市場に身を置いているが、大勝利を収めるために必要なすべての材料を持っており、我々は彼らのビジネスパートナーであることを喜びに思う」とコメントした。

 また、MongoDBのCEOであるMax Schireson氏は自身のブログにおいて、MongoDBがデータベース最大手のOracle、IBM、Microsoft等の巨人と競い合っている状況を説明。「オープンソースはOSが与えたような影響力をデータベースには与えていない」とし、大企業での商業的成功はまだ限定的だとの現状を指摘した。

 その理由として、「我々は潜在力を見ているが、我々がいるのは30年以上のエンジニアリングをつぎこんできたテクノロジーに支配された市場だ。彼らの設計は現代的なアプリケーションにはそれほど適していないかもしれないが、非常に成熟しており、豊富な機能を備えている。顧客大企業のニーズを理解している巨大なパートナーエコシステムと大企業顧客を持ち、我々よりはるかに多くのツール、数十年にわたって洗練してきた運用ツールを持っている」と先行するOracleら大手の強さを説明。

 「我々が1億5000万ドルを調達した理由はここにある。我々は、多くのユーザーがこの市場に期待する成熟度を構築するために、大規模でかつ持続的な努力が必要になることを知っている。我々の管理スイートを開発し、コア製品を強化することは、膨大な作業になる。我々は、セキュリティ、管理性、安定性、及びスケーラビリティで大きな進歩を遂げてきたが、それでもまだやるべきことがありすぎるほどだ」と説明した。

(青木 大我 taiga@scientist.com)