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PayPal、通販サイトなど売り手向けの決済保護制度を国内で開始

 シンガポールのPayPal Pte. Ltd. は11日、日本国内において「セラープロテクション(売り手保護制度)」を開始した。PayPal決済を利用するオンラインショップなど、おもに事業者向けのサービスで、買い手による不正決済や、商品未受領のクレームなどがあった場合でも、決済金額が売り手に対して支払われる。なお、適用を受けるには発送証明の提出など、諸条件がある。

 PayPalでは、これまでも買い手向けの保護サービス「バイヤープロテクション」を提供しており、例えば、個人客がPayPalを使って通販サイトで買い物を行い、商品が届かなかった場合には、個人客に対して購入金額の返還を行ってきた。

 一方で、通販サイト側にもオンライン取引はリスクがある。悪意ある一般客が不正クレジットカードなどを使い、ショッピングサイトで買い物をした場合、ショッピングサイト側は商品を詐取され、さらに正当なクレジットカード所有者から支払いを拒否されるという事態が発生しうる。

 11日に開始したセラープロテクションは、こういった売り手側のリスクを軽減する目的で導入される。保護を受けるために月額料金を追加で支払ったり、事前に申し込む必要はない。

 セラープロテクションの対象となる取引は、発送可能な有形商品であり、「請求書ツール」などの指定の方法で行われた場合に限られるなど、細かな条件がある。また、発送した商品の金額が日本円で2万8000円以上の場合は、発送証明、配送証明、商品を受け取る際の署名などをPayPalに提示しなければならない。

(森田 秀一)