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「進研ゼミ」に専用タブレット導入、小学・中学・高校生向けの講座で

 ベネッセコーポレーションは、通信教育の「進研ゼミ」で、新たにオリジナルの学習用タブレットを導入、小学生・中学生・高校生の講座で利用する。

(左から)ベネッセホールディングス代表取締役社長の福島保氏、ベネッセコーポレーション代表取締役社長の明田英治氏、ベネッセコーポレーション家庭学習事業本部本部長の成島由美氏

 これまでも「進研ゼミ」では中学1年生向けの講座でタブレットを導入。既に受講生の6割にあたる16万人がタブレットを利用して家庭で学習している。その成果を受けて、昨年10月には小学生、中学生、高校生の講座でタブレットを導入すると発表していたが、今回、そのお披露目として都内で記者説明会を開催。ベネッセホールディングス代表取締役社長の福島保氏は、昨年4月に会員が減少したことを深刻に受け止めたとして、「デジタル化、タブレットが目的ではない。ツールを使いながら、子供の学習を継続してサポートできる」と語った。

 塾や予備校に通いながら利用する、といった使い方もあるが、塾にはないメリットとして、継続的に利用できること、生徒の苦手な問題や学校での学習状況を把握した上で、ステップアップできるコンテンツの提供などが挙げられている。

小学生・中学生・高校生で異なるタブレット

 今回、小学生・中学生・高校生向けの講座でそれぞれタブレットを利用することになった。小学生は従来型の「チャレンジ」と、タブレットを使う「チャレンジタッチ」の2コース。中学生と高校生は紙の教材を使う講座で、申し込めばタブレットも利用できる、という形だ。

(左から)小学生向け、中学生向け、高校生向け
特徴

 そのスペックは10月に発表された際、明らかにされているが、基本的に小学生・中学生は学習専用という位置付け(中学生は親モードで通常のタブレットとして利用可)で、高校生向けのタブレットは、一般的なAndroidタブレット(Android 4.2.2搭載)となる。これは、高校生の8割程度が既にスマートフォンを利用している、という状況にあわせたもの。いずれもWi-Fi経由で通信できる。アプリではなく、専用タブレットという形で提供される理由として、ベネッセ家庭学習事業本部本部長の成島由美氏は「家族の共有ではなく、自分専用のタブレットとして常に傍らにある、ということが重要」と説明し、学習意欲の継続に繋がるとした。

 タブレットを利用することで、回答するとリアルタイムに採点してくれる機能、紙の教材でわからないところがあればタブレットのカメラで撮影して質問できる「質問カメラ」といった機能が用意される。映像で学習のポイントを紹介するコンテンツもある。

 タブレットの製造元は明らかにされていないが、たとえば小学生向けの「チャレンジタッチ」用タブレット(9.7インチ)と、中学生向けのタブレット「Challenge Tablet」(7インチ)はどちらも感圧式となる一方、高校生向けのタブレット「Challenge Tablet NEXT」(9.7インチ)は、静電式でデジタイザーペンを使って手書き入力をサポートする。

主な仕様
小学生向け9.7インチディスプレイ(1024×768)、無線LAN(IEEE802.11 b/g/n)
200万画素カメラ、SDカードスロット
191×252×16.1㎜/約730g
専用スタンド、タッチペン、専用ACアダプター、保護シート
中学生向け7インチディスプレイ(1024×600)
CPU:Freescale Semiconductor i.MX535 アプリケーション・プロセッサ
無線LAN(IEEE802.11 b/g)、microSDカードスロット、200万画素カメラ
136.7×199.2mm/約430g
専用スタンド、専用タッチペン、専用ACアダプター
高校生向け9.7インチディスプレイ(1024×768)
CPU:Freescale Semiconductori.MX6 DualLite アプリケーション・プロセッサ
microSDカードスロット、無線LAN(IEEE802.11 b/g/n)、200万画素カメラ
250×190mm/約720g
デジタイザーペン、専用ACアダプター
小学生向けのタブレット
中学生向けのタブレット
高校生向けのタブレット

料金

 料金は学年によって異なる。なお、今回開示された価格はいずれも税込(消費税5%で計算)となっている。

 たとえば小学1・2年生向けは月額3250円、小学3年生は3950円、4年生は4730円、5年生は5475円だ。なお6年生向けコースは2015年4月に開講する予定。6カ月間、12カ月間を一括で支払うことで割引される。小学生コースは、いずれも6カ月以上の受講でタブレットが無料となる。なお、この料金はタブレットを使わない「チャレンジ」と同じ。

 中学生は1年生と2年生が月額6160円、3年生が6480円。12カ月以上の受講でタブレット代金は無料になる。

 高校生は1年生から3年間利用することを想定して、教材が用意される。利用料は科目数によって異なり、1教科で5550円、2教科で7330円、3教科で8880円、4教科で1万180円、5教科で1万1480円。21カ月以上の受講でタブレットが無料になる。

(関口 聖)