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NEC、PCの顔認証ログオンシステム「NeoFace Monitor」販売開始
(2014/4/22 15:38)
日本電気株式会社(NEC)は22日、顔認証によるPCへのログオンや、ログオン中の利用者の常時確認を可能にする企業向けソフト「NeoFace Monitor」の販売を開始した。
PC内蔵カメラやウェブカメラに顔をかざすことで、顔認証によりPCへのログオンを実現する。ログオン中も常に利用者の顔認証を行い、離席時に自動で画面をロックすることや、背後からの覗き込みに対して画面をロックする機能も備える。
Active Directoryとの連携に対応し、エンタープライズ環境での運用が可能。複数人が利用する共用端末環境向けには、共通アカウントに対して複数のユーザーを顔認証に紐付けることで、時間のかかるOSベースのユーザー切り替えは行うことなく、誰が利用していたかを認証ログで確認できる。クライアント側の一時保存データを利用することで、外出時やネットワーク障害時などオフライン状態でも認証を行える。
NECでは、指紋照合や顔照合などのバイオメトリクス分野では40年以上の研究開発の歴史があり、顔認証のシステムとしては、香港の出入国管理システムや、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの年間パス利用者向け「顔パス入場」などに導入実績があると説明。顔認証エンジン「NeoFace」は、米国政府主催の技術コンテストで首位の評価を獲得した実績があり、これを今回の製品にも採用。本格的なエンタープライズ向けの顔認証製品としては、今回が初の製品となる。
企業の情報漏えい事故などの原因は、パスワードやカードの共用が行われていたり、PCログオン後のセキュリティ対策が取られていないといったずさんなアクセス管理にあり、特に共用端末では煩雑なユーザーの切り替え操作が業務支障となって、ルールに沿ったセキュリティ運用が困難な状況が現実だと指摘。NeoFace Monitorは、カメラに顔を向けるだけで瞬時に認証が可能で、PC利用中のなりすまし防止にも対応。Active Directoryとの連携による大規模運用にも対応し、ウェブカメラなどで安価にセキュリティレベルを向上できる点が特徴だとしている。
製品の販売価格は、クライアントPC用ソフトが1台あたり1万円(税別)から。サーバー用ソフトウェアは30万円(税別)。クライアントOSはWindows 8.1/8/7、サーバーOSはWindows Server 2012 R2/2008 R2に対応。NECでは今後3年間で400社、20万クライアントPCへの導入を目標とする。販売ターゲットは官公庁から民間までの全業種。日本語版と英語版を同時リリースし、国内のほか北米、アジア地域などでも販売する。