ニュース

低価格スマホ「PandA」、110番風の電話機能やYo的なゆるいつながり機能追加

freebit mobileが敬老の日に合わせてアップデート

 フリービット株式会社は、スマートフォンキャリア事業「freebit mobile」が展開するスマートフォン「PandA」向けに、アプリケーションのアップデート「PandA apps update“Fall 2014”」を9月15日に公開する。

テーマは「スマホが変える家族」

 11日に行われた記者発表会には、フリービット株式会社代表取締役社長の石田宏樹氏が登壇し、アップデート内容を説明した。

 家族をテーマとした機能を追加したとし、IP電話による緊急通報の代替機能、ゆるいつながりを実現するコミュニケーションアプリ「Air Knock!」、ライフログ機能「PandA lifelog」、フォトフレーム機能「Digital Photoframe」のほか、画面上で片手の指が届く範囲にハードウェアキーと同様のボタンを呼び出す機能を実装した。

フリービット株式会社代表取締役社長の石田宏樹氏
テーマは「スマホが変える家族」

 IP電話については、ユーザーの声として、一般的に対応していない050番号IP電話からの緊急通報に関するニーズが高かったという。そこで今回のアップデートでは、110番通報に代わりになるIP電話による警察署への電話機能を搭載した。PandAのアプリから「110」を入力すると、GPSで現在位置を特定し、最寄りの警察署の実番号を表示することで電話を掛けられるようにした。

 フリービットでは、電力系キャリアの光IP電話向けに、0AB~J番号のIP電話から消防署などに緊急通報できるシステムを提供しており、そのシステムをカスタマイズして実装したという。まずは警察署あての発信に対応したが、救急などにも今後対応を検討する。

110番通報の代替機能を提供
アプリから「110」を入力
GPSで通話位置を特定
最寄りの警察署の電話番号が表示される

 Air Knock!は、電話やLINE、メールよりもっとゆるいつながりを持てるコミュニケーションアプリだという。「コンコン」というノック音を離れたPandAに送ることができる。ホーム画面上で3本指でスワイプするとアプリが起動し、送信先を選択するとドアのアイコンが表示されたノック画面が現れる。指でドアをノックすると、送信先のPandAにノックした回数分ノック音が通知される。

 マナーモードに設定されている時はノック音は再生されないが、緊急性が高い場合などに5回以上ノックすると、送信先のPandAのマナーモードが解除されてノック音が通知される。また、ホーム画面上で2本指でスワイプすることで、指定した送信先のノック画面を直接呼び出せる。

扉のアイコンをノックすると、送信先のPandAにノック音とともに通知される
送信先の通知画面、返信のノックを相手に送ることができる

 PandA lifelogでは、PandAの各種センサー機能を用いて活動量や健康状態の記録ができる。提供される機能の第1弾として、デジタル歩数計を実装。毎日の歩数を記録できるほか、体重を登録すると消費カロリーも算出される。

 また、家族向けリモートサービス「PandAファミリー」と連携し、被管理者の現在地や歩数が管理者側から確認できるほか、一定の歩数に満たない場合に管理者へ通知する機能を搭載する。フリービットでは「家族のコンソール」と位置付けている。

 なお、PandAファミリーでは、被管理者側でGPSをオフにしても管理者側でオンにでき、場所を確認されたことは被管理者側に通知される。

ライフログ機能「PandA lifelog」を提供
歩数や活動量、消費カロリーを確認できる
家族向けリモートサービス「PandAファミリー」と連携
被管理者の現在地と歩数を表示。設定した歩数を満たさない場合管理者側に通知する機能もある

 Digital Photoframeは、既存のフォトフレームと異なり、機能の呼び出しやすさに重点を置く。PandAの設定画面に追加される「フォトフレームの設定」ボタンをタップすると、フォトフレーム機能が立ち上がる。

 また、「フォトフレーム機能が提供されるまで秘密にしていた」として、PandAのセカンドロットから箱の内部に仕掛けを施していたことを明らかにした。仕切りを取り外して組み立てるとスタンドが完成。PandAのフォトスタンドとして使用できる。箱を捨ててしまった人や、PandAファーストロットのユーザーは、freebit mobileの店舗「ATELIER」でスタンドを受け取ることができる。

設定メニューからフォトフレーム機能を呼び出せる
「今すぐ開始」をタップするとスライドショーがスタートする
フォトフレーム機能を実装するまで秘密にしていたという箱内のパーツを使ってPandAのスタンドを組み立てられる
窪みは斜めに開けられており、フォトフレームとして見やすいよう考慮されている

 PandAのサードロットは、5.5インチディスプレイを搭載しており、「画面は見やすいが片手では使いにくい」というユーザーの声があったという。Androidはホームキーを多用するため、指が届かなくても本体下部にあるハードウェアキーと同機能のソフトウェアボタンを、ホーム画面から直接呼び出せるようになった。

PandAサードロットは、10日に発表されたiPhone 6 Plusと同じ5.5インチディスプレイ
ハードウェアキーまで指が届かない場合でも操作できるよう、ソフトウェアボタンを用意した

アップデート機能を支える「PandA CORE」

 freebit mobileが持つアプリケーション、ミドルウェア、モバイルネットワーク、クラウドコンピューティング、ユーザーデータベースを垂直統合し、機能やサービスをシンプルに実装できるプラットフォームを「PandA CORE」と名付け、今後パートナーへ公開する。

 freebit mobileでは、さまざまな制限があるAndroidアプリと異なり、ハードウェアのオリジナル開発や、ミドルウェアなどを扱うため、システムのコアな部分まで開放できるという。PandA COREでは、ゲートウェイになるCOREアプリを複数提供している。

 今回のアップデートは、PandA COREへアクセスすることで実現した機能としており、PandA COREを利用したデモとしての要素も含んでいるという。PandAクオリティを維持することが条件になるが、一般デベロッパーへの公開も柔軟に対応したいとした。

freebit mobileが持つアプリ、ミドルウェア、ネットワーク、クラウド、ユーザーDBをベースに「PandA CORE」を構築
PandA COREアプリ群

 フリービットでは、今回の「敬老の日」アップデートをはじめ、シーズンに合わせた展開を今後も予定しているという。

(山川 晶之)