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「使いたくなる製品を提供、ユーザーに愛される、先手を打っていく会社を目指す」日本マイクロソフトの新社長に就任する平野氏が会見

 日本マイクロソフト株式会社は、7月1日付で社長を退任して会長に就任することを発表した樋口泰行氏と、新たに社長に就任する平野拓也氏、北米以外の拠点を統括するMicrosoft Internationalプレジデントのジャンフィリップ・クルトワ氏による記者会見を3月2日に開催した。

(左から)樋口泰行氏、平野拓也氏、ジャンフィリップ・クルトワ氏
ジャンフィリップ・クルトワ氏

 クルトワ氏は、新体制への円滑な移行を進めるため、平野氏が3月2日付で日本マイクロソフトの代表執行役副社長となり、7月1日付で代表執行役社長に、樋口氏が代表執行役会長となると説明。樋口氏は日本マイクロソフトの社長に就任してからの7年間で、日本におけるビジネスの変革や新しいワークスタイルの創造を実現。日本におけるクラウドデータセンターの開設、AzureやDynamicsといったサービスの展開、Surefaceの普及などに貢献し、過去4年間のうち3年間は日本マイクロソフトが先進6カ国の中でナンバーワンの地位を占めたといったことについて感謝を述べた。

 また、平野氏については、過去10年間にわたってマイクロソフトでさまざまな部門を担当しており、2011年からは中央および東ヨーロッパ地域のゼネラルマネジャーも務めるなど、多国間にわたるビジネスの経験も豊富だと説明。平野氏が日本マイクロソフトの社長となることに自信を持っており、日本市場に対するコミットメントを示すものだとして、今後も継続してサポートを進めていくとした。

樋口泰行氏

 樋口氏は、自身が社長となって7年、日本のマイクロソフトに入社して8年になるとして、米国本社でもCEOがサトヤ・ナデラ氏に交代して以来、変革を急ピッチで進めており、日本においても世代交代を進めて、新しいリーダーシップで変革を加速していくタイミングだと判断したと社長交代の理由を語った。

 また、「外資系IT企業の中には、突然リーダーがいなくなったり、空席のまま続いたりといった会社も散見されますが、それを反面教師にして」(樋口氏)、以前から入念に引き継ぎ計画を立ててきたと説明。平野氏は新しい日本マイクロソフトのリーダーに最もふさわしい人材だとして、7月までの4カ月間、樋口氏が社長、平野氏が副社長という体制でバトンタッチを進め、顧客やパートナーに迷惑をかけることのないようにしたいとした。

平野拓也氏

 平野氏は、「外見と名前が合いませんねとよく言われますが」と前置きし、「父が日本人、母がアメリカ人で、生まれは北海道の道産子です」と自己紹介。平野氏は2005年8月に日本のマイクロソフトに入社し、エンタープライズサービス部門などを担当した後、2011年から中央および東ヨーロッパ地域のゼネラルマネジャーを担当。2014年7月から日本マイクロソフトに戻り、マーケティング&オペレーションズ担当の執行役専務を務めている。

 平野氏は、社長就任後の具体的なビジョンや経営方針については、7月の社長就任までに時間をかけて検討していくと説明。まずは、これまで樋口氏が掲げてきた「日本に根付き、日本で信頼される会社」を目指すという点は踏襲した上で、ユーザーが使いたくなる製品を提供し、ユーザーに愛される会社、そして先手を打っていく会社を目指していくとして、臆することなく変革を進めていきたいと抱負を述べた。

 日本のマイクロソフトでは、過去に古川享氏が会長を務めていたが、以後は会長職は存在してこなかった。新設される会長の役割について樋口氏は、「1人で外の仕事と中の仕事を両方やるのは大変だった」として、主に対外的な仕事を担当すると説明。トップセールスから政財界とのつながりまで、平野氏をサポートすべく行っていくとした。

 新社長から見た日本マイクロソフトの課題について平野氏は、「マイクロソフトは現在、クラウドやデバイスの分野に注力しているが、この分野ではマイクロソフトはチャレンジャーであり、グローバルでも日本でも同じ状況。そうしたところを推し進めていきたい」と語った。

(三柳 英樹)