ニュース
全国の中小企業に“簡単で快適なIT”を提案、テックウインドのセミナーが大阪で開催
(2015/7/1 06:00)
テックウインド株式会社は25日、大阪において、リセラーやSIer、ユーザー企業などを対象としたイベント「最新IT機器活用による販売力強化セミナー」を開催した。会場には、定員100名の会場がほぼ満席となるぐらいの参加者が集まった。
このイベントでは、中小企業がIT機器を活用して生産性の向上をもたらす製品の紹介と活用方法が紹介された。
テックウインドが掲げたキーワードは「簡単」「コンパクト」「快適」の3つ。スモールオフィス向けサーバー「NOWing SERVER」を中心に、PCやタブレット、モバイルモニターなどを組み合わせた、主に顧客提案のためのソリューションが紹介された。セミナーのほか、製品やソリューションの展示も行われた。
そのほか、インテルや台湾QNAP Systems、エルゴトロンジャパンによる講演や展示も行われ、テックウインドにより販売される各社の製品について解説がなされた。
専任のIT担当者がいない中小企業の問題を解決
「中小企業は、専任のIT担当者がいないことによる問題を抱えている」――。テックウインド株式会社 大阪営業所の中山敏宏氏は、「これからのビジネスでの最新IT機器の活用方法」と題し、中小企業の課題とそれに対するテックウインドのソリューションについて話した。
中山氏はまずテックウインドについて紹介。PC分野の専門商社として、PCの主要パーツを多く取り扱っており、インテル製品やマイクロソフトのOEM製品の正規販売代理店にもなっている。国内に自社の組立工場を持っているのも特徴で、サーバーやPCの組み立てから、出荷前検査、OEM/ODM提供まで対応しているという。
さて、中小企業のITの課題として、中山氏は3つの点を挙げ、それぞれについてテックウインドのソリューションによる解を紹介した。
まず1つ目の課題は、「データをUSBメモリでやり取りしている」「同じファイルが各個人のPCに散在している」「重要なデータは管理職だけが閲覧できるようにしたい」「外出先から社内のデータを確認できない」「PCのバックアップが面倒」といった、ファイルの共有についての問題だ。
この問題については、テックウインドのスモールオフィス向けサーバー「NOWing SERVER」が紹介された。まず、NOWing SERVERにより、ファイルサーバーとしてデータ共有ができ、ユーザーやグループごとにフォルダーのアクセス権限も設定できる。PCの自動バックアップも簡単に設定できる。外部からブラウザ経由でリモートアクセスすることもできるため、訪問先や出張先から仕事ができるという。
そのほか、OSとしてWindows Server 2012 Essential 64bitを採用していることにより、会計ソフトやグループウェア、データベースなどのWindows Server向けソフトが動作することも利点として挙げられた。
ここで、「でも、サーバー導入って難しいんでしょう?」と中山氏は想定される疑問を出したうえで、「初めてサーバーを導入する企業にも安心して導入してもらえるように、万全の体制でサポートします」と自ら答えた。セットアップマニュアルを整備するほか、現地の設置や初回設定をする「設置サービス」も用意。サポートセンターや、標準で2年間(最大5年間)の先出し保証も備えているという。
2つ目の課題は、「PCが古い」「PCの電気代がバカにならない」「デスクトップPCが大きくて邪魔」といったPCの課題だ。
これについては、超小型省電力PCの「NOWing PC Pelliot(ペリオ)」が紹介された。インテルのNUCをベースにした手のひらサイズのPCだ。Windowsをプリインストールし、最大39Wの省電力で動作する(Core i5モデルの場合)。
NOWing PC Pelliotといては、5種類のベースキットをもとに、OS、CPU、メモリ、ハードディスク/SSDの選択肢の組み合わせにより、88種類のモデルを用意。1年間の製品保証や専用のサポートダイヤルも備えるという。
中山氏は利用形態の例として、VESA規格の4つのネジ穴を利用してモニターの背面に取り付ける例や、モニターアームと組み合わせる例なども紹介した。
3つ目の課題は、「隙間時間などでも情報を確認できるモバイル端末がほしい」「出張先でも社内と同様の業務ソフトを使いたい」といったタブレット端末の問題だ。
これについては、テックウインドのタブレットPCである「CLIDE(クライド)」シリーズが紹介された。8.9インチのWindows 8.1タブレット「CLIDE 9」と、9.7インチのAndroid 4.4タブレット「CLIDE 10」があり、いずれもSIMフリー端末として使える。
中山氏はタブレットの用途として、移動中の端末としてのPCに近い利用法と、ペーパーレス化や専用端末としての利用法の2つに分類。特にビジネス用途では、Windowsタブレットならデスクトップと同じアプリケーションが使えることが利点だとした。
また、タブレットとNOWing SERVERを組み合わせることによって、外部から資料を確認できるようになり、ワークスタイルを変革させることになると述べた。
こうした3つの課題の実例として、中山氏は法律事務所の導入事例を紹介した。この事例では、改善リクエストは「PCの高速化とサイズダウン」「安全なデータ共有」「外部からのアクセス」の3点だったという。
まず、各弁護士のPCをNOWing PC Pelliotに置き換えて省スペースと静音化、高速化を実現。また、NOWing SERVERを新規導入して、顧客データなど重要なデータをアクセス権限を設定して共有できるようにした。そして、CLIDEタブレットを新規導入して、実務上必要な書類を大量に持ち運べるようにし、事務所のNOWing SERVERに置かれた重要データにどこからでもアクセスできるようにした。
そのほかの分野の提案例として、タッチパネルPOSシステムも紹介された。POS業界では、PCを使用した汎用機への移行がトレンドということで、そこからさらに小型化した、NOWing PC Pelliot+OnLapモバイルモニターによるPOSを紹介。CLIDEによるオーダー端末や、キャッシュドロワー、レシートプリンターも加えた構成を紹介した。
関東だけでなく西日本や全国でも展開
展示会場では、テックウインドの扱う各社の製品や、それらを組み合わせたソリューションなどが展示された。
会場中央では、テックウインドの扱う幅広いメーカーや、自社で持つ組立工場について説明。さらに、タブレットを汎用機ではなく専用機として販売するソリューションと、そのために各種ソフトの動作検証をしていることを紹介していた。
テックウインドはこのように、幅広い取り扱い製品を持つと同時に、大阪営業所を設けて西日本に展開している。講演した中山氏も「PCやパーツ、周辺機器を取り扱う専門商社で大阪に営業所があるのは、弊社を含めて3社だけだと思います。お客さまに来てくれと言われて、すぐ訪問できます」と語る。
大阪は東京に比べて中小企業の割合が多い。専任のIT担当者がいない中小企業では、より業務に実効性のあるITソリューションが必要とされる。「今回は来場者数などで成功の感触を得ているが、ビジネス面でも成功が確認できれば、国内の主要都市で同じようなセミナーを開きたい」(中山氏)。
このように、IT活用に悩み相談相手を探している中小企業や、そこにITソリューションを提案するSIerは、セミナーや相談などでテックウインドの話を聞いてみるのもよいだろう。