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ブラザー、インクジェットプリンター「PRIVIO」新モデル、インク1本の印刷枚数開示でお得さアピール

 ブラザー販売株式会社は、A4/A3対応インクジェットプリンター「PRIVIO」シリーズの新モデル8機種を9月下旬より順次発売すると発表した。

(左から)中村七之助氏、ブラザー販売株式会社代表取締役社長の片山俊介氏、中村勘九郎氏

 2015年は「キレイにできる。おトクにできる」をテーマに、A3対応モデルの「ネオシリーズ」3機種、A4対応モデルの「ベーシック」シリーズ5機種の合計8機種をラインナップ。ベーシックシリーズは、新エンジンを採用し、本体デザインを一新。従来機「DCP-J957N」と比較して体積を15%削減、設置面積を11%削減と小型化(DCP-J963Nの場合)を実現している。ネオシリーズの本体仕様は前年モデルから変更されていない。

 インクは、昨年ネオシリーズで採用された新インク「技ありインク」をベーシックシリーズに採用。黒および暗部の色再現性を強化し、コントラストを高めている。また、2015年モデルから1本のインクでどの程度印刷できるかを示した印刷可能枚数を公表した。これは、PRIVIOユーザーから印刷コストに関して高い満足度を得ており、そのメリットを分かりやすく市場で訴求するため。店頭ポップやカタログなどで積極的に公開することで、年賀状など大量に印刷する場合など、ユーザーのインク選びの目安になるとしている。

 ベーシックシリーズは、A4カラー文書を印刷した場合で、1カートリッジでカラーインクが499枚、ブラックインクが375枚で、1枚あたりのインクコストは約8.1円となる。また、L判写真では、カラーインクが199枚。1枚あたりのインク・用紙合計コストは約17.9円。なお、ネオシリーズは、カラーインクが1200枚、ブラックインクが1048枚印刷可能な大容量インクカートリッジを採用している。L判写真も1カートリッジで400枚印刷可能(1枚あたりのインク・用紙合計コストは18.8円)。

A4モデル5機種、A3モデル3機種の合計8機種をラインナップ
A3モデルなどハイエンドモデルに採用されていた新インクをベーシックシリーズにも採用
印刷コストのユーザー満足度(リックリサーチ調べ)は、全体平均42ポイントなのに対し99ポイントと高評価
1回のインクカートリッジで印刷できるA4用紙枚数を初めて公表

 スマートフォンとの連携を強化。ブラザーオリジナルのプリントアプリ「Brother iPrint&Scan」や年賀状アプリ「Brother 年賀状プリント」を提供。年賀状アプリは、内蔵されたテンプレートから好みのものを選択し、配置する写真を選ぶだけで年賀状を作成可能。前モデル同様、宛名面の編集も可能。また、CSVファイルのインポートに対応。主要なPC向け年賀状作成ソフトで管理している住所録をスマートフォンに転送できる。なお、取り込んだ住所録はアプリ内で管理されており、スマートフォン内の電話帳などには影響しない。

 また、オールシーズンでプリンターを活用してもらうべく、ブラザーのコンテンツ提供サイト「オープンテラス」を「プリントテラス」としてリニューアル。年賀状のほか、季節ごとのグリーティングカード、ペーパークラフトや学習コンテンツなどもダウンロード提供する。また、パペルックのコラージュアプリ「Papelook」のほか、LINEのカメラアプリ「aillis」と連携し、アプリ内からPRIVIOにプリント指示を出すことができる。

スマートフォンとの連携を強化
コラージュ写真アプリ「Papelook」やLINEのカメラアプリ「aillis」と連携
コンテンツ提供サイト「オープンテラス」を「プリントテラス」にリニューアル
日本郵便の年賀状デザイン作成アプリ「はがきデザインキット2016」のほか、ウェブアプリ「Web年賀状キット2016」と連携
ブラザーオリジナルの年賀状作成アプリ「Brother 年賀状プリント」を提供
PCの年賀状作成ソフトの住所録を「Brother 年賀状プリント」に転送可能

 ベーシックシリーズの価格(税別)は、NFCやADFを搭載したハイエンドモデル「DCP-J963N」が1万9500円前後、DCP-J963NにFAX機能を追加した「MFC-J880N」が2万4000円前後、ミドルクラスの「DCP-J762N」が1万7500円前後、エントリークラスの「DCP-J562N」が1万3500円前後。すべてのモデルに無線LANと自動両面プリント機能を搭載。印刷スピードは、モノクロが12枚/分、カラーが10枚/分(DCP-J562Nのみ6枚/分)。

 ネオシリーズは、無線LAN、自動両面プリント機能、ADF、多目的トレイなどを搭載した「DCP-J4225N」が2万3000円、DCP-J4225NにFAX機能とNFCを追加した「MFC-J4725N」が2万9000円。印刷スピードは、モノクロが20枚/分、カラーが18枚/分。

「DCP-J963N」
「DCP-J4225N」
ベーシックシリーズにも搭載された新インク
排紙トレイが一体化した給紙トレイ

XPリプレースと消費増税後の反動でプリンター市場は伸び悩み

 ブラザー販売常務取締役の三島勉氏は、ここ数年プリンター市場が伸び悩む中、特に2014年度はWindows XPのサポート終了にともなう駆け込み需要のほか、消費増税前の駆け込み需要といった2つの駆け込み需要の反動から、プリンター市場全体が縮小したと説明。ブラザーでは、量販店のプリンター売り場で存在感を高め、2015年度は昨年同様プリンター市場のシェア15%を目標に狙うほか、販売台数目標を年間70万台に見据える。

2014年度のプリンター市場は、Windows XPリプレースの反動や消費増税前の駆け込み需要の影響もあり、全体的に縮小しているという
2015年度の目標シェアは昨年に引き続き15%を目指す

 昨年に引き続き、イメージキャラクターには歌舞伎俳優の中村勘九郎氏と中村七之助氏を起用。また、8月31日にYouTubeのブラザー販売チャンネルにおいて、両氏が実際にPRIVIOを使い、スマートフォンの写真を印刷するスペシャルムービーを公開した。第1弾、第2弾は事前に収録されたものだが、第3弾は発表会で公開収録を実施。1本のインクカートリッジで本当に公称値通りの499枚印刷できるか検証するもので、公称値の499枚を超えても印刷が止まらないPRIVIOに、両氏とも驚きの表情を見せた。

昨年に引き続きイメージキャラクターは“中村ブラザー”こと歌舞伎俳優の中村勘九郎氏(右)と中村七之助氏(左)を起用
PRIVIOのセットアップをする両氏
本当に1本のインクカートリッジで公称値の499枚を達成できるかの検証では、余裕の500枚超えを達成した(会場では時間の関係上、3分クッキングのように490枚まで印刷されたセットが登場した)
発表会の会場で公開収録した

(山川 晶之)