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LINE、新規のクローンiPhoneからはトーク内容ののぞき見などできないよう仕様変更

 LINE株式会社は、22日にアップデートした「LINE」のiPhone版アプリ(バージョン5.10.0)において、複数台のiPhoneから1つのLINEアカウントに同時アクセスができないようにする仕様変更を行ったことを明らかにした。

 LINEによると、LINEは1つのアカウントにつき1台のスマートフォン端末でのみ利用できる仕様となっており、1つのアカウントに複数台のスマートフォン端末から同時にアクセスして第三者がトーク内容などを閲覧することは「基本的にできない」という。

 ただし、iPhone/iTunesの仕様により、iTunesでバックアップしたデータから“クローンiPhone”を作成すれば、本人の知らない間に第三者が同一アカウントにアクセスすることは可能だった。それが可能となるのは、下記3項目をすべて満たす「限定的な状況下」だという。

  • アクセスの対象となるiPhone端末を物理的に保有し、当該端末の認証パスワードが分かっていて、パスワード解除ができる状態であること
  • その上で、PC(Windows/Mac)を用意し、当該端末からiTunesアプリケーションを使ってPCとiPhoneを物理的につないでバックアップ操作を行うことができる環境下にあること
  • さらに、別のiPhone端末を用意し、当該端末のバックアップデータを展開し、LINEアプリを起動できた場合

 これに対してバージョン5.10.0では、「新たに該当の操作を行い、複数のスマートフォン端末からアクセスすることが不可能になった」としている。

 LINEについては、不倫が報じられた芸能人のトーク画面が流出したことで、本人の知らぬ間に第三者がLINEアカウントにアクセスできる方法が存在しているのではないかと話題に。これを受けてLINEでは、それが可能になる「限定的な状況下」が存在することを公表していた。今回の仕様変更で、その方法にも対策をとったかたちだ。

 なお、対策が施されたのは、あくまでもバージョン5.10.0以降となる。すなわち、以前のバージョンのLINEを使用していたiPhoneから作成された「限定的な状況下」のクローンiPhoneがすでに存在する場合は、本人のiPhoneのLINEを5.10.0にアップデートしたとしても、クローン側からのぞき見することは従来通り可能。

 また、LINEでは多くのウェブサービスなどと同じようにメールアドレスとパスワードによる本人認証の仕組みを導入しているが、LINEのスマートフォンアプリでは、いったん端末が認証されると、その後、追加でパスワード認証が要求されることがない仕様となっている。

 すなわち、「限定的な状況下」のクローンiPhoneが第三者にいったん作成されてしまった場合、すでにそのクローン端末自体にアカウントが認証されている状態だ。一般的なウェブサービスとは異なり、第三者から自身のアカウントに不正アクセスされた本人があわててパスワードを変更したとしても、クローン側に対して新たにパスワード認証が要求されるわけではなく、それまで通り、LINEアカウントにアクセスできる状態が続く。

 そもそも、LINEに限らず、スマートフォンユーザーは上記のようなクローンを第三者に勝手に作成されないよう、端末の管理を徹底する必要がある。

「LINE」iPhone版アプリのバージョン5.10.0で追加された、プロフィール画面のBGM設定機能

 バージョン5.10.0ではこのほか、ステータスメッセージを500文字に拡大するとともに、トークルームで送受信した写真や動画のプレビューを見やすくする改善を行った。

 また、プロフィール画面にBGMを設定できる新機能を追加。「LINE MUSIC」で配信されている1500万曲以上の中から好みの1曲を選んでBGMに設定することで、プロフィール画面上で自身や友だちが楽曲を再生できるようになっている。この新機能はiPhone版アプリでは2月22日より対応、Android版アプリでは1月21日より提供している。

(永沢 茂)