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「列車走行位置」が分かる鉄道会社公式アプリが便利だった件~首都圏4社の場合

鉄道に興味がなくても、鉄道に詳しくないといろいろツラい世の中

 通勤、通学、出張、行楽で何かとお世話になる電車。ただ、自宅や勤務先の最寄り路線以外は詳しくない人も多いのでは? 例えば筆者は関東在住ですが、それなりに知っているのは都心部だけ。東京駅から都内西部へ行く電車にどんなものがあるか、あまりよく知りません。えーっと、八王子ならJR中央線? ていうか、なんでわざわざ「中央特快」って言うの? ……そんな感じです。

 そんなときこそ、ネットの乗換案内であったり、紙の時刻表の出番。ですが最近は「鉄道会社の公式アプリ」がちょっと面白い存在になってきています。「電車が今どの位置を走っているか」という、今までにない情報を無料で見られるんです。

 これがあると、定刻通りに来ない電車が実際どこを走っているかが非常によく分かります。電車の車内放送で「前に電車が詰まっていて……」なんて案内されたときにこのアプリを立ち上げると、その理由が一目瞭然。イライラもちょっとはおさまるかもしれません?

首都圏4社の公式アプリを使ってみた。

 そこで今回は、主に首都圏で「列車の走行位置情報」を提供している公式アプリを探してみました。4社ほどありましたので、順番に見ていきましょう。会社によって路線数などが異なるため、アプリの傾向も意外と違います。

JR東日本アプリ

http://www.jreast-app.jp/
 首都圏はもちろん、東日本全域を営業エリアとしているだけあって、今回紹介する4つのアプリの中でも群を抜く情報量。メニューを選択していけば、東北地方の列車運休状況などもチェックできます。

「JR東日本アプリ」のトップ画面。情報が多い分、他の3社のアプリと比べて表示が少々複雑

 走行位置情報は、地域や運行種別など応じて4種類に分かれていますが、都心部の場合はトップ画面から「列車に乗る」→「列車走行位置(首都圏)」と選べばOK。その後さらに路線名をタップすると、各電車がどこを走っているかグラフィカルに確認できます。平常時に覗けば「あ、こんな等間隔で綺麗に走っているのね」、逆にトラブル時は「うわー乗ってる電車の前に何台も詰まってるよ」……なんて具合が分かるわけです。

 山手線ではさらに情報充実。電車を指定すると、各車両の混雑度・車内温度まで表示されます。見た目的にも実用面もなかなか愉快な情報。大きなスーツケースを引いている時なんかに活用してはどうでしょう?

 また、普段よく乗る電車を「My路線」に登録しておけば、トップ画面から一目で運航状況をチェック可能。さらに駅構内図も参照できます。

これが列車位置情報
列車アイコンをタップすると詳細が表示される

東京メトロ公式アプリ

http://www.tokyometro.jp/mobiledevice/smartphone/
 東京で運行している地下鉄の事業者は2つありますが、その一方である東京メトロのアプリ。まずはもう「路線図」を見られるだけで便利。ピンチインやピンチアウトで拡大縮小できますから十分実用に耐えます。そこから駅名をタップすれば、時刻表も簡単に参照できます。

 走行位置のチェックも専用ボタンからすぐ呼び出し可能。画面下部に、路線全体の走行位置略図が表示されるのも気が利いていてマル。

 運行情報のプッシュ通知機能は、設定項目を多くすることで実用性を高めています。路線の限定はもちろんのこと、頻度、通知曜日、通知時間帯が選べるため「千代田線についての初報だけを平日の朝6~7時台限定で受け取る」といったことができます。

「東京メトロ公式アプリ」
「準急」「急行」などの種別も分かる列車位置走行情報

東急線アプリ

http://ii.tokyu.co.jp/tokyusenapuri/
 渋谷・目黒・五反田・大井町あたりに通勤されている方にはおなじみ。JRや東京メトロに比べれば路線数が相対的に少ないため、アプリの構成も比較的シンプル。お気に入り路線を登録しておけば、トップ画面からのタップでいきなり走行位置情報が表示されます。

 見た目的にも面白いのは「駅視-vision」。一部駅の改札周辺の混雑度を解析し、約1分程度の間隔で情報を提供し続けています。この際、改札の画像にアイコン状の人間がオーバーレイされ、さらに動いているか停まっているかがなんとなく分かるのがミソ。

 さて、ここまで紹介したJR東日本・東京メトロ・東急線の各公式アプリは、実はそれぞれ連携しています。例えば、JR東日本アプリで湘南新宿ラインの走行位置情報を表示し、「渋谷駅」をタップ。すると乗り入れ路線リストが出るので、仮に半蔵門線を選ぶと、そのまま東京メトロアプリが起動し、その路線の走行位置情報がすぐに出ます。

 これがなかなかに画期的。各アプリのトップ画面を経由することなく、ダイレクトに表示されるので実にスピーディーなんです。この取り組みは昨年10月にスタートしていますが、まだの人はぜひ一度ご体験を。

東急線アプリ
列車位置情報の画面。「JR東日本アプリ」「東京メトロ公式アプリ」をインストールした状態で渋谷駅の会社名アイコンをタップすると、接続した路線の列車位置情報が呼び出せる

京王アプリ

http://www.keiogrp-app.jp/
 上記3社のような連携こそないものの、京王電鉄でもアプリを公開しました。走行位置情報についてもバッチリ。各駅停車、急行、特急が入り乱れて運行していることが一目でよく分かります。

 バスに関する情報もありますが、多くはウェブサイトへのリンク。アプリ独自の機能としては、お気に入り店舗の登録、クーポンの配信、スタンプラリーなどがあります。

「京王アプリ」のトップ画面ではクーポンなどの情報が多め。路線情報を参照するには数タップ必要になる
走行位置情報はシンプルで見やすい

まとめ~鉄道会社アプリは「列車走行位置情報」にこそ価値あり

 今回紹介したアプリは、あくまでも鉄道会社ごとのアプリのため、会社をまたいでの乗換案内は率直に言って充実していません。「路線はどうでもいいから〇〇駅に行きたい」「初めて行く駅の、帰りの時刻表を調べたい」といった場合は、「Yahoo!路線情報」「ジョルダン乗換案内」などを使った方が早いでしょう。

 ただ、列車走行位置情報は、それらの乗換案内専門サイトにはまだまだないもの(いずれ追加されるかもしれませんが)。それでいて十分有用な内容ですから、少なくとも通勤・通学路線の会社のアプリは、インストールしておいて損はないと思います。

 また、3月から4月にかけて新天地で生活をスタートさせる方にもオススメです。特に地方から上京してきた場合、乗り換えルートの複雑さには目が眩むはず。JR東日本アプリ、東京メトロ公式アプリに収録されている「駅構内図」も、上手く活用してみてください。