特別企画

写真で見る「NTT技術史料館」、日米間初TCP/IPルーターから歴代公衆電話まで

NTT技術史料館の「インターネットの技術」コーナー

 東京都武蔵野市のNTT技術史料館に、初めて日米間TCP/IP接続実験に使用されたルーターなどを展示する新コーナー「インターネットの技術」が、2月13日に開設された。

 NTT技術史料館は、NTT武蔵野研究開発センタに2000年11月に開設された施設。1952年の「日本電信電話公社」発足以降の、電気通信における技術開発の歴史的資産を系譜化し、集大成した施設。見学には予約が必要だが、毎週木曜日の午後は予約なしで自由に見学できる一般公開を実施している。

 今回、新設されたインターネットの技術コーナーでは、NTTの研究所が初めて日米間のTCP/IP接続実験に成功した際に用いたルーターや、日本最初のポータルページ「NTTホームページ」、1996年にサービスを開始した定額制接続サービス「OCNエコノミー」関連の機器など、NTTグループとインターネットの関わりに関する展示が行われている。

日本で最初の日米間TCP/IP接続実験(1988年)に使用されたルーター。NTT研究所とスタンフォード大学の間を結んだ
NTT加盟当時のCSNETの接続図(1987年)
NTT-INET構築に関する資料(1989年)
ISOC創立メンバーに贈られた盾
1993年に開設された「NTTホームページ」。日本のポータルサイトの先駆け
1996年に開始したOCNサービスと、それに先立って実施された「マルチメディア共同利用実験」のパンフレット
OCNエコノミー/ダイヤルアクセスのユーザー側ルーター
OCNスタンダード/エンタープライズのユーザー側ルーター
OCNエコノミーの局側設備(OCN-SLT)
ダイヤルアップ接続用モデム、ISDNダイヤルアップルーター
フレッツ・ADSL用モデム
ウェブ閲覧やメールが利用できるISDN対応デジタル電話機

 このほかNTT技術史料館では、アナログ時代からの電話交換機などの設備や、アクセス網の移り変わり、歴代の電話機や公衆電話、船舶電話や自動車電話から現在の携帯電話までの移動体通信の歴史、日本最初期の電子計算機など、電気通信に関する数多くの展示が実物とともに行われている。

クロスバー交換機(C400)
電子交換機(D10)
歴代の公衆電話なども展示
自動車電話から現在のスマートフォンまでが並ぶコーナーも
移動体通信の中でも最も古い船舶電話に用いられた「NS-1号」
技術試験衛星ETS-VI実験モデル
パラメトロン素子を使った最初期の国産計算機「MUSASINO-1B」
NTT技術史料館

三柳 英樹