特別企画

【Yahoo!JAPAN “爆速Girls” 座談会】

理系エンジニア女子が熱く語る「女性エンジニアという生き方」(3)

 第1回目第2回目に続いて、ヤフーで働く7名の女性エンジニアのみなさんの座談会をお送りします。パートナーに望むことや会社への要望、エンジニアを目指す女性へのアドバイスなどをお聞きしました。(聞き手:すずまり)

仕事への理解が得られやすいせいか、エンジニア女子はIT業界内での結婚が多いとのこと。会社への要望では、19時に空調が切れるのがきつい! という話題で盛り上がりも

女性エンジニアがパートナーに求めたいもの

――社内で夫婦で働いてる方が結構いらっしゃると伺ったんですが、社内結婚って多いんですか?

おんこ:
 多いですよね。ものすごい多いですね。

さやか:
 多いですね。先週披露宴に行きました。入ってきたら理系男子が選び放題だと思います!(一同爆笑)

――どんな組み合わせが多いんですか。営業や企画系の女性と理系の男性とか?

ひーみん:
 同期同士の結婚は意外と多いですね。同期のエンジニア同士で、すでに3人結婚しました。

――エンジニアの仕事を続ける上で、パートナーにはこういう条件がいいとかありますか。最低限この辺はクリアしておいてほしいなとか。

さやか:
 家事・育児ができる人だともう、文句ないですけど。

はせ:
 エンジニアに限らず、仕事に理解がある人だったらいいですよね。

おんこ:
 私、文句言わない人だったら誰でもいい!(一同爆笑) たぶんみんなそうかなと思うんですけど、自分の人生を尊重してくれれば、うまくいくんだと思うんですよね。仕事したいっていったら、よしやってこい! って言える人がいい。(一同頷く)

ひーみん:
 自分は今独身なんでまさにそれで。私は仕事は辞めたくないんで、仕事に理解を示してくれる人がいいですね。

亜希子:
 それもすごくわかるんですけど、プラス、自分より仕事ができて、尊敬できる人!

おんこ:
 この分野では私のほうができるけど、この分野では彼のほうができるとか。

さやか:
 それはベストですね~!(一同盛り上がる)

――エンジニアという仕事自体がなかなか周りに理解されにくい中、パートナーには職業に対しての理解がほしい。なかなか難しいですね。

ナリ:
 私は旦那がIT業界なんですけど、お互いにわかってるからやりやすいですね。自分も大変なときがあれば、旦那もそういうときもあるし、急にトラブルが起きるときもあれば、ちゃんとオフにすることもできる。うちはそれでバランスを取ってますね。

さやか:
 私の周りで、異業種で付き合ってる人とか、結婚してる人をあんまり見ないですね。エンジニアは結構エンジニア同士かも。お互い仕事が分かるんで、多い気がしますね。

おんこ:
 確かにあまり周りにいないかもしれないですね。同じような仕事をしてる2人が結婚してる。

――運用は、普通の人が休むときにお仕事入ったりしがちですよね。そういうときは大変ではないですか。

さやか:
 そうですね。こういう仕事なので、誰も使ってない深夜とかになっちゃうんで。担当同士、2人同時に休めないとか。なので「この日はお迎えお願い」とか、地道に説明はしてますね。

働きたい女性に、もっと支援とロールモデルを

――最近では理系の女子を採用できるように、社風を変えるといった話もチラホラ聞いたりするのですが、理系女子に限らず、女性が働きやすい職場の条件みたいなものがあったら教えてください。

さやか:
 経済的な支援で、ベビーシッターさんの補助券とか、家事支援の補助券とか、そういうのが欲しいですね。

おんこ:
 すごいわかる!

さやか:
 共働きだと、家事やる人がいないじゃないですか。今、シッターさん雇ったり、家事代行の業者に月数万円払って家事をやってもらってるんですけど(一同声を上げて驚く)、そうなると、働いている意味がなくなるくらいお金がかかるんですよ。でも働きたいから、働くために環境を買ってるっていう状態なので、もう少しそこに補助があるとうれしいな。

おんこ:
 制度的に時短勤務ができるんで、もちろん使ってるんですけど、やっぱり働かない分だけちゃんと減りますし。だけど帰らないとお迎えには間に合わなくて。やっぱり経済的支援が一番助かるっていうのはあります。

――オフィスビル内に、子供を預かる場所みたいなものはないんですか?

おんこ:
 (会社は)検討したみたいですけど、ないですね。でも、実際に作られても連れてこられないですね。

――あ、そうか、満員電車で連れてくるとかありえませんね!

おんこ:
 そう、電車に乗せて連れてくるとかちょっと考えられないので。自分の預けたいところで、信頼する人に預けたいですから、そこをサポートして欲しい。

さやか:
 私の住んでいる地域では、保育園に全然入れないんですよ! 1歳児の枠に100人待ちの状態で。復帰するときは数十万円払って、ベビーシッターさんに預けて復帰しました……。

ナリ:
 私は、徹底的に調べて、情報力で対応しました。早く復帰したいからってことで、いまある制度を全部調べて、入れる保育園がどこにあるのか、補助が出るのかとか調べ尽くして、条件に合わせて引っ越しもしました。

――引越しまで! 保育園問題は本当に深刻ですね。

 子供を産んだからって、仕事を辞めたいわけではないんで。それがニアリーイコールになってしまうと、やっぱり仕事を続けられなくなる。とはいっても、それで仕事して入ってくるお金と、して出て行くお金が一緒だとしたら意味あるか、ってことになってしまうから、そういう部分をサポートしてくれる制度は大事かな。週に1~2回は、在宅勤務ができるとうれしいですね。通勤時間をそのまま仕事に当てられるっていうメリットもあるし、やっぱり子供とかいると、お迎えもしやすくなるし。

おんこ:
 在宅勤務はできるとうれしいですね。それはすごく思いますね。

ナリ:
 あとは、女性の役員を増やすとか、管理職を増やすとか、見えてるロールモデルを増やさないと、厳しいかなというのはあります。うちも女性役員は1人もいないし、管理職の比率でいってもかなり少ない。ということは、どこかで諦めてるってことになるじゃないですか。本人の意識も、周りの意識も、一緒にがんばっていかなきゃいけないのかなとは思います。

――ナリさんはすでにリーダーですけれども、幹部層を目指しますか?

ナリ:
 目指してます!(一同どよめく) 私、Facebookのシェリル・サンドバーグさんが大好きなんです。彼女は子供が2人いて、時間を効率よく使っていて。たぶん本人の意識もすごく高いし、周りもそう作ってるっていうのもあると思うんです。もっと身近なところで、ああいう、見えるロールモデルがあるとすごく目指しやすいし、次を考えやすいと思う。

リエ:
 確かにロールモデル的なものは欲しいなって思いますね。今はサービスの改変も多くて、1回産休に入っちゃうと、戻ってきたら今やってるサービスないんじゃないかとか思うんですよ。戻って来やすいのか難しいのか。実際、管理職で戻ってこられた方はいるのかとか、戻ってからどういう経験をされてるのかとか、そういうお話をもうちょっと聞いてみたいなっていう思いはすごくあります。

会社への要望

――女性が長く働きやすい職場環境だというお話がありました。その後、経済的支援やロールモデルが欲しいというお話も出ましたが、女性が仕事と子育てを両立させる上では、今の環境は恵まれてると思いますか?

さやか:
 そうですね。ママ友に制度の話をすると「えーうらやましい!」「 いきたい!」 って言われます。

おんこ:
 会社さえ潰れなければ、生涯働いていけそうな気はしてます。

ナリ:
 改善して欲しいというところはないわけではないんですけど、いいと思います。さっきも話しましたけど、ライフスタイルに合わせて社内で業務を変えることは可能なので、働き続けたいなら、辞める必要はないと思うんです。たぶん諦めるのは本人かなと思うんですね。先に自分が諦めちゃってる。そこがすごいもったいない。みんなすごい優秀なんですよ、辞めるのはホントにもったいないと思う。

――改善して欲しいというところはないわけではない、ということですが、たとえばどんな点を改善してほしいですか?

リエ:
 私、19時に空調切るのやめてほしいです。(一同大爆笑しながら同意) 照明が22時と24時に消えるのもやめてほしい……。2回切れるんですけど、真っ暗になるんですよ。

ナリ:
 空調が切れた19時以降はキツイですね。(苦笑)

これからエンジニアを目指す女性に、先輩として、女性としてメッセージ

――最後に、これから就職活動をする女子学生さんや、会社選びに悩んでいる方に向けてメッセージをお願いします。

おんこ:
 ヤフーはすごく大きな会社だと思うんですが、偉い方々は本当にフレンドリーで、自ら話しやすい空気を作ってくれて、社員ひとりひとりの声に耳を傾けてくれるので、そういう部分がとても好きですね。

 そういう社風もあるので、まず働いていくために大事なのは、こういうことがやりたい! という強い気持ちだと思います。うちの会社って、こういう風に社会に働きかけたいとか、そういう強い思いを持って来てもらえたら、それが実現できる会社だと思うんですね。その人がそのとき持ってる能力はどうか、ということよりも、どうしたいかという思いを汲んでくれる会社だと思うので。

 それから、私が入社したとき、実はパソコンとかもあまり使ったことなくて、ほんとうに技術の知識がなかったんです。すべては入ってからの研修や、実際の業務で身につけました。7年働いてますけど、まだまだ知らないこといっぱいあって、本当に日々日々勉強という感じです。ですから、私はあんまりパソコン得意じゃないしとか、そういう気持ちでどうしようかなと思っているんだったら、心配する必要はないと伝えたいです。

亜希子:
 やりたいことが絶対見つかりそうだし、いい雰囲気だと思ったので選んだんですけど、入ってみたら、ママさんが時短勤務でバリバリ働いてて、活躍もしていて感動しました。女性もずっと仕事を続けられるんだと、本当に感じました。なので、女性の方、ぜひ来て欲しいです!

ナリ:
 私は中途で入って今年で10年目なんですけど、子供を産み育てながら、普通ならお金払って習うようなことを、仕事しながら勉強できてすごくラッキーだと思ってます。もし自分の生活に変化があったときや、これがやりたいってことが生まれたときは、会社の中での職種の異動も自由にできるので、諦めずに前に進めると思います。

 スキルに悩む必要もないです。学校で習うエンジニアのスキルには限界があって、どう生かすか、何を学ぶかは会社に入ってからが勝負なんですよ。自分もいろんな言語、オペレーション、仕事しながら勉強させてもらってます。そのときどきで勉強して、実技に生かして、それでユーザーに喜んでいただけるサービスを作っていくというのはとてもやり甲斐があります。やりたいことがあれば、自分を育てていくっていうことが、この会社の中ではできるかなと思っています。

 あと、職場が国際色豊かなところもステキかなと思います。自分は韓国人なんですが、今いるところはアメリカ人もいれば、ペルー人、中国人もいて、みんながフラットに仕事してる。いろんな刺激も受けられると思うので、仕事がんばりたい理系女子のみなさんには、ぜひたくさん入ってきていただきたいです。

はせ:
 私も、あまりプログラミング経験がない状態で入ったんですけど、勉強できる環境は豊富だし、やさしい先輩も多くて、周りもすごい支えてくれるので、できないから止めようかなではなくて、なんでも挑戦してほしいって思います。理系だと女性が少ないと不安って思うかもしれませんが、女性もちゃんといるので大丈夫です。しかも先輩はみんなすごく頑張っていて、自分もそういう女性の先輩の話を聞いて「私も頑張ろう」って刺激を受けてます。心配しなくていいというのが伝わればいいな。

さやか:
 これくらい大きな会社になると、偉い方々が遠くなると思うんですが、ここはすごくコンタクトしやすいんです。それで、意思疎通がしやすいので、社員の隅々まで考えが行き届いてる感じがするんですね。「ユーザーファースト」っていう、熱意や想いを、ほんとうに全社員ヒシヒシと感じてるので、誰かの役に立ちたいと思ってる理系の方は、ぜひ来て活躍してほしいです。そして、次世代のロールモデルになってほしいです。

ひーみん:
 私は、ものを作ることが好きだったんで、この会社に入ってサービスを作りたいって思ってました。ただ、大学のときのプログラミングの成績はすごく悪くて、むしろプログラミングの授業が大嫌いだったくらいなんです。だから、最初は不安だったんですが、実際に入って仕事してみると、勉強する機会は豊富で、自分がステップアップできる環境がありました。エンジニアとして経験がないからやめようかなとか、相当知識がないとダメなのでは、と思う必要はまったくないってことを伝えたいです。自分が作ってるサービスを使っている人を見たときの達成感や喜びは大きくて、入ってよかったと本当に思えるんで、みなさんもぜひエンジニアになって、そういう喜びを感じてもらえたらと思います。

リエ:
 やりたいことがやりやすい、ほかにはないスケールを持った会社だと思います。一番最初、ログインなどのサーバーの運用もやっていたんですが、ログを見ているだけで、バーッものすごい量のデータが流れていくんですよ。「今、これだけたくさんの人がログインしてるんだ……!」って感じられて。これだけの人たちに使ってもらってるって感動もあるし、「こいつ(サーバー)生きてるんだ」って感動したり。(笑) そういうスケールの大きな感動を味わって欲しいです。

 あと、大きな会社ならではでありがたいと思ったのは、自分がお休みしても、誰かが代わりにサポートしてくれる体制が整っているので、私生活を犠牲にした働き方をしなくていいところ。自分の体調なり、ライフステージに合わせて働きやすいっていうのは、女子が働いていく上で、すごくありがたい会社だなと。だから、たくさん入ってきてくれるといいなと思います。

――実際に働いている女性の声はとても参考になりました。本日はお忙しいところありがとうございました!

【参加者プロフィール】
リエ(既婚)
現在の業務:iPhone アプリ Petapicの開発、Petapicのディレクション
過去の業務:インタレストマッチの配信システム開発、配信システムのユニットとりまとめ、広告サイエンス、IDプラットフォーム運用
ひーみん(未婚)
現在の業務:Yahoo!路線情報の技術リーダー、Yahoo!路線情報全般の開発及び運用業務(主にAndroid版乗換案内アプリ、通勤タイマーアプリ)
過去の業務:Yahoo!路線情報全般の開発、および運用業務、YOLP(Yahoo! Open Local Platform)カセットギャラリーの開発
さやか(既婚、子供1人)
現在の業務:コマース(ポイント)システム企画、社内システム企画、社内業務企画
過去の業務:コマース系サービスのシステム運用保守、サーバトラブル障害対応
おんこ(独身、子供1人)
現在の業務:webR25の開発、運用
過去の業務:Yahoo! BEAUTYの開発、運用。X BRANDの開発
亜希子(未婚)
現在の業務:Yahoo! JAPANアプリの開発、かわいいウィジェット♪「ウィジェリー-Widgely-」の企画
ナリ(既婚、子供3人)
現在の業務:インターネット広告についての研究、開発。2つのチームのリーダー
過去の業務:ヤフーに入る前はSE。Yahoo!知恵袋の開発(立ち上げから約6年間)、YDN(Yahoo!ディスプレイアドネットワーク)の企画(1年)
はせ(未婚)
現在の業務:プラットフォームの運用業務、新卒技術研修、次世代監視システムの開発
過去の業務:TV向けサービスの開発、運用