「ホロス2050未来会議」キャッチアップ便り
〈インターネット〉の次に来るもの――「第4章 グーテンベルクの終焉/SCREENING」
本の民とスクリーンの民の文化的衝突
2017年9月29日 06:00
2017年9月8日、第4回 ホロス2050未来会議「第4章 グーテンベルクの終焉/SCREENING」~本の民とスクリーンの民の文化的衝突~が、御茶ノ水デジタルハリウッド大学駿河台キャンパスで開催された。
今回は、ケヴィン・ケリーの著書『〈インターネット〉の次に来るもの』に登場する「スクリーニング」というキーワードを元に、紙からスクリーンへと移行するメディアとコミュニケーションについて考察した。
- スマホ時代のTVコンテンツの在り方
→ 神原一光氏「スマホの登場でTVビジネスが激変したが、今後さらなるスクリーニングの実現で常時インターネットにつながっていることが意識されない時代がくる。そのとき、TVが新たな公共空間を作れるかは、コンテンツへの信頼獲得が鍵になる」 - VRによるスクリーニング新時代の到来
→ GOROman(近藤義仁)氏「キャラクターベースからGUIへの進歩の次に来るのは、SUI(スペーシズユーザーインターフェース)だ。ペーパーパラダイムの次にスペースパラダイムが訪れる。VR空間内では360度でウォーリーを探せるし、空間内で仕事のコラボレーションも可能だ。FacebookがVR・ARに2000億円投資したのもうなずける」 - パネルディスカッション
別の角度から次代のスクリーニングにアプローチする神原・GOROmanの両氏に元週刊ASCII編集長の福岡俊弘氏も加わり、白熱した議論が行われた。
→ 高木利弘氏「『本の民』の読み書き文化の時代から、『スクリーンの民』の参加型文化へ移行していく」
→ 福岡俊弘氏「口伝から文字に移り編集が入るようになった。複製技術が究極までいくと、オリジナルとコピーの区別がつかなくなり、複製できるものの価値が下がる。体験として初音ミクに本を読んでもらいたい。寄り添うものが次のデバイスだ」
→ 神原一光氏「危機感を持つべきはTVよりも文字ではないか? VRは確かにグーテンベルクの終焉であり、文字はいらなくなる。Windows 95はインターネットで世界にアクセスできたが、それは興味のある人だけ。TVは怠惰な人でも偶然知ることができる」
→ GOROma氏「脳がいい感じならOK。ぼくの家にはテレビがなく、子どもたちはテレビの存在すら知らない。自分はスマホも捨てたい。インターネットが消え、日常のインフラとして視界にスクリーンがあれば、パックマンがドットを食べるようにして目的地に進んでいける」
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次回の「ホロス2050未来会議」開催予定
第5回 ホロス2050未来会議「第5章 所有権よりアクセス権/ACCESSING(アクセスしていく)」
デジタル・ネイティブはわれ先にと前へ進み、未知のものを探索していく
- 日時:2017年10月17日(火)19:00~
- 会場:御茶ノ水デジタルハリウッド大学駿河台キャンパス
- ゲスト:
玉置泰紀氏 KADOKAWAで「東京ウォーカー」はじめ全国のウォーカー・シリーズの総編集長を担当し、現在は2021年室エグゼクティブプロデューサーとして未来社会のデザイン活動を行っている。
河崎純真氏 発達障害を抱える人にプログラミングやデザインを教える学校「GIFTED AGENT」の運営、ブロックチェーンを活用した「COMMONS OS」の開発、エストニアに仮想通貨専門ファンド「PUBLIC FUND」の設立など、先進テクノロジーを活用した理想的な未来社会の実現に向けて活動を行っている。
詳細は公式サイトを参照。チケット購入はhttp://holos2050-1705.peatix.com/view