「ホロス2050未来会議」キャッチアップ便り
〈インターネット〉の次に来るもの――「第5章 所有権よりアクセス権/ACCESSING」
デジタル・ネイティブはわれ先にと進み、未知のものを探索していく
2017年11月22日 06:00
2017年9月26日、第5回 ホロス2050未来会議「第4章 グーテンベルクの終焉/SCREENING」~デジタル・ネイティブはわれ先にと進み、未知のものを探索していく~が、御茶ノ水デジタルハリウッド大学駿河台キャンパスで開催された。
今回は、ケヴィン・ケリーの著書『〈インターネット〉の次に来るもの』に登場する「アクセッシング」というキーワードを元に、所有することよりアクセスすることが重要になる未来社会とは一体どのようなものなのかを考察した。
- アクセス(繋がり)を考えれば良い
→ 玉置泰紀氏「世の中にある莫大な情報をAI、VR/ARを駆使して整理する。『バベルの図書館』(ホルヘ・ルイス・ボルヘスの短編小説)のような無限の図書館にWebからアクセスできるようにして、デジタルアーカイブを進めていく必要がある。『ビヨンド・ブック・プロジェクト(BBP)』は、そのアーカイブされたデータへダイブインできるサービスだ」 - もはや社会もバーチャルの時代へ
→ 河崎純真氏「エストニアという国は過去に9回占領されて9回独立している。『所有すれば失う』という歴史からクラウド上に新たなバーチャルマシーン(仮想国家)を創れば良い。そのために誰でも社会を創れる仕組みとしてブロックチェーンを活用した『COMMON OS』を開発した。近い未来にはブロックチェーンにより数十万円の予算で国家を運営したり、国家戦略を実行できたりする時代が来るだろう」 - パネルディスカッション
玉置・河崎の両氏に「ホロス2050」発起人の服部 桂氏、高木利弘両氏も加わり、白熱した議論が行われた。
→ 高木利弘氏「アクセスすることが重要になる未来社会は『何も持たない』時代の到来を意味する。人はなぜ所有するのか」
→ 玉置泰紀氏「アクセス『権』、所有『権』など『権』が付くとはどういうことかを考えたほうが良い。情報、教養、知識、秘儀、歴史、文化など、お金を出してまで求めたい(これらにアクセス、所有する権利を得る)と思わせる体系を創るべきだ。電子書籍や書籍というサービスは正にこの仕組みの最たるものだ」
→ 河崎純真氏「今世の中を騒がせているMVer(ムーバー)やAirbnbといったプラットフォーマーは5年後にはなくなっているだろう。このようなシステムを創るのは簡単だからだ。所有の仕方が変わってきたことで生まれたサービスが増えれば、さらに新たな所有の仕方を模索していく必要があるだろう」
次回の「ホロス2050未来会議」開催予定
第6回 ホロス2050未来会議「第6章 ポストマネー、ポスト近代/SHARING(共有していく)」
デジタル社会主義に国家は出てこない
- 日時:2017年11月30日(木)19:00~
- 会場:御茶ノ水デジタルハリウッド大学駿河台キャンパス
- ゲスト:
中山亮太郎氏 「この世界の片隅に」映画館上映資金調達を成功させたのをはじめ、数々の実績を持つクラウドファンディングサービス「Makuake(マクアケ)」を運営する株式会社マクアケの代表取締役社長。
城宝 薫氏 株式会社テーブルクロス代表取締役。飲食店予約サービスでありながら、利用者が予約をすると予約した人数分の給食が途上国の子どもたちに届けられる新しい社会貢献型グルメアプリ「テーブルクロス」のサービスを展開。
詳細とチケット購入はhttp://holos2050-1706.peatix.com/view