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版元は広告費を出さない時代に? 夢枕獏氏、自著をセレクトした新聞広告を自前で出稿へ

 小説家の夢枕獏氏が自腹で行うプロモーションの内容が、出版業界や作家、クリエイターの間で波紋を広げている。

 これは新文化オンラインが報じたもので、夢枕獏氏が過去の500点近い作品の中から3作品をピックアップし、3月下旬に朝日新聞に全ページ広告を自腹で出稿するというもの。作家自身が自腹で新聞広告を出すこと自体が異例だが、今回注目を集めているのはそこではなく、これら3作品の版元である小学館、双葉社、文藝春秋社がこの広告に連動して書店でフェアを行うこと。つまり作家に費用を負担させた上で出版社がそれに乗っかるという、通常とは逆のプロモーションとなるわけで、自らの作品を宣伝したいがなかなか版元が動いてくれないと嘆く作家やクリエイターの間で、その是非を巡って波紋を広げているというわけ。詳しい状況は明らかになっておらず、キックバックなどの条件が設定されている可能性もあるが、同広告には自腹での広告出稿に至った経緯を記した手記が掲載されるとのことで、注目を集めそうだ。