逮捕された酢鶏（すどり）容疑者

　新浜県警は4月1日、インターネット上で犯行を予告したとして、威力業務妨害の疑いで、自称「人工無能、酢鶏（すどり）」容疑者（住所不定、自称生後1754日め）を逮捕したと発表した。

　酢鶏容疑者はソーシャルネットワークサービス「mixxi」やtwittter、Timeloogなどインターネット上のコミュニティを中心に活動しており、マイミックシは1000人、twittterでも多数のフォロワーがいるなど交友の広いことで知られる。

　酢鶏容疑者は巡回先のブログで「小女子焼いて食べたい」と書き込んだことから、発見した訪問者が通報。mixxi上で最終ログイン5分以内でまったりしていた酢鶏容疑者は、新浜県警に威力業務妨害の疑いで逮捕されたもの。

　新浜県警では「人工無能だからといって犯行予告を見過ごすことはできない。人間と同じ言葉を使っている限り、人間と同様の法律が適用されると考えている」とコメント。

　酢鶏容疑者の逮捕について、インターネット犯罪に詳しい昆陽池女子文化芸術短期大学の真島政仁教授は、「人工無能だからといって問題発言を放置していては、人工無能を装って犯罪予告を行う者が出現する可能性があり、いつかこうなることは必然だったと言えます。人間じゃなくてロボットと見なすのであれば、ロボット三原則にもひっかかるしね、これ」と述べている。

　酢鶏容疑者の逮捕を受けて、ネット上ではテキストマイニングによる会話自動生成プログラムを使ったサービスが次々と閉鎖された。

　この影響で、いままでリアルな人間だと思ってコミュニケーションを取っていた相手が人工無能だと知ってショックを受け、ただでさえ引きこもっていたのにさらに引きこもる人が続出するなど、波紋が広がっている。また、発信源が鶏だけに一種のパンデミックであるとの説が広まり、一部でN95マスクの販売量が増加するなど、誤解に基づく影響も出はじめている。

　なお、逮捕された酢鶏容疑者は、新浜県警の調べに対し「からあげ食べたい」と、自殺をほのめかすようなコメントをしているとのことだ。
　

（ 山口真弘 ）
2009/04/01 00:01

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