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世界中どこへかけても無料通話の「SIPphone」がサービス開始


SIPphoneの発表文。日本での販売にも力を入れていきたいという
 ブロードバンド接続環境さえあれば、世界中どこへかけても無料で通話が楽しめる電話サービスSIPphoneが6日、サービスを開始した。相手が同じ電話機を使用していなければならないという制約があるものの、簡単に使える上にブロードバンド接続料金以外は全く費用がかからないため、用途によっては大きな需要がありそうだ。SIPphoneはMP3.comの創業者で、現在Lindows.comのCEOであるMichael Robertson氏の新しいベンチャー企業である。

 SIPphoneは「SIP」と呼ばれる電話プロトコルを使用した電話機を販売し、この電話機を簡単に使用できるようにするサービスを提供する。電話機は1組129ドルで販売され、ACアダプターとイーサネットケーブル(RJ45)が付属する。これを自分のブロードバンド回線に接続し、電源を入れるだけで設定は完了する。SIP電話に必要な7桁の電話番号は事前に電話機に初期設定されているため、登録の必要は無い。ただし、電話をかけられる相手は同じSIP電話番号を持っていなければならず、一般固定電話、携帯電話、非常通話などへはかけられないため、注意が必要だ。

 この電話機は自分の家や会社に設置することもできるが、海外旅行など出先に持っていって地元のブロードバンド回線に接続しても、全く同じ電話番号を使用できるというメリットがある。またSIPプロトコル自体が最新の圧縮技術を使用しているため、音質は携帯電話以上で場合によっては固定電話よりも音質が良いとされている。

 SIPphoneのCEOであるMichael Robertson氏は、「今日SIPについて知っている人は少ないが、音楽業界をMP3が変えたのと同じように、これもまた電話ビジネスを根本的に変えるだろう。今日、ローコストで簡単に使えるSIP電話の発表によって、SIPは爆発的に広がり始める」と将来的な発展に自信を示した。

 Michael Robertson氏によると、このSIP電話は「日本でも、世界のどこでも使用できる」とのことで、現在販売している米国のサイトから「日本にも出荷できると思う」と述べている。しかし日本で使用する場合には、電源規格の違いから別途必要な電源を用意する必要があると考えられる。また日本の「ナンバーディスプレイ」や「キャッチフォン」に相当する機能も用意されており、同社の英語Webサイトにて設定可能だ。


関連情報

URL
  ニュースリリース
  http://www.sipphone.com/tiki-index.php?page=SIPphone%20Inc


( 青木大我 taiga@scientist.com )
2003/08/07 11:59

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