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産総研のデータ圧縮方式がISOに採用~従来より20%以上高い圧縮効率


 独立行政法人産業技術総合研究所(産総研)は、7月にフランスで開催されたInternational Standards Organization(ISO)の会合で、高品位印刷画像用符号化技術「JBIG2方式」の追補として同研究所次世代半導体研究センターの提案する技術が採用されたと発表した。

 今回発表された技術は、高品位画像を可逆圧縮する際、特殊なアルゴリズムなどで最適化して、JBIG2方式よりも20%以上高い効率で圧縮できるもの。発表によると、1,270dpiでデータ化したカラーの外国語新聞紙面をサンプルにした場合は60分の1以下に、2,400dpiでのサンプルでは100分の1以下までデータを圧縮できたという。

 この圧縮技術では、生物の遺伝法則を模倣して開発された「遺伝的アルゴリズム」を採用。複数の解を、淘汰・交叉・突然変異というように遺伝的に変化させながら、よりよい解を求めていく。「遺伝的アルゴリズム」は、大きなデータを効率的に処理することに向いているとされ、同研究所によれば、「従来の技術では浮動参照画素数が4つだったが、新技術ではそれを12にした。参照するデータ量が増えると圧縮効率が飛躍的に増大するが、計算量も増大する。そのため遺伝的アルゴリズムを採用した」という。

 同技術は今後、ISOの事務手続きを経てからISO/IEC14492/AMD2としてリリースされる予定で、電子書籍などにも活用が見込まれている。

 産総研では今後、同技術が電子製版画像フォーマットの国際基準であるTIFF/IT規格においても用いられるようにISOの会合などで活動を行なっていくとしている。


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URL
  ニュースリリース
  http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2003/pr20030807_2/pr20030807_2.html
  産業技術総合研究所
  http://www.aist.go.jp/


( 鷹木 創 )
2003/08/08 13:17

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