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ハイテク犯罪は詐欺・悪質商法等が急増~警察庁の平成15年上半期調査


 警察庁は21日、2003年上半期のハイテク犯罪の検挙および相談受理状況を公開した。相談件数は19,097件で、前年同期の9,092件と比べ約2.1倍になった。検挙数も532件で前年同期より44件増えた。

 上半期の検挙数532件のうち、ネットワーク利用犯罪は468件で約88%を占めた。ネットワーク利用犯罪の内訳では、出会い系サイトを利用した児童買春や青少年保護育成条例違反、インターネットオークションにおける詐欺事件やわいせつ物頒布事件、掲示板を利用した名誉毀損や脅迫事件などが多くを占めていると警察庁は分析している。

 また、不正アクセスの発生状況は、認知件数が114件で前年同期と比べて20件増加している。特徴としては、Webサイトの書き換え事案の多発した2001年を除けば、認知件数は増加している点や、認知の端緒はサイバーパトロール等の警察活動によるものが65%と最も多い点が挙げられている。

 不正アクセス禁止違反事件の検挙状況は、33事件37人と、前年同期と比べ6事件増加し5人減少した。検挙事件の特徴は、ほとんどが識別符号窃用型(他人のIDを入力して不正利用する行為)であり、IDから用意に推知できるパスワードによる不正アクセス行為が16事件60件と多くを占めた。また、脆弱性を利用した攻撃も引き続き発見されたほか、20代以下による犯行が多く検挙人員の約5割を占め、不正に金を得る目的の犯行が増加している傾向があるという。

 警察庁が相談受理件数は、19,097件と前年同期の9,092件と比べ約2.1倍に増加した。中でも詐欺・悪徳商法に関する相談が8,776件と、同1,331件の約6.6倍と大きく増加した。また、違法・有害情報に関する相談も2,605件で同1,176件の約2.2倍だった。インターネットオークションに関するものも多く、2,309件で同1,465件の約1.5倍に増加した。

 詐欺・悪質商法に関する相談は、ほとんどが使った覚えのない有料コンテンツの料金を請求するいわゆる“架空請求メール”に関する相談と情報提供とのこと。この状況に対応するため警察庁では、産業界等と連携を図るための総合セキュリティ対策会議の開催や情報セキュリティ対策ビデオ、ハイテク犯罪対策パンフレットなどを利用した啓発活動、架空請求メールなどのネットワーク利用の悪質商法に対する注意喚起などを推進している。


関連情報

URL
  警察庁
  http://www.npa.go.jp/
  関連記事:昨年のハイテク犯罪検挙数が1,000件超え、児童買春が急増
  http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0220/npa.htm
  関連記事:日本のサイバーテロ対策技術はFBIにも引けを取らない~警察庁熊谷氏
  http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2002/1219/iajapan1.htm

出会い系サイト関連事件、児童買春の検挙数が減少~警察庁(2003/08/07)


( 大津 心 )
2003/08/21 18:53

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