NTTコムウェア株式会社、サン・マイクロシステムズ株式会社、大日本印刷株式会社(以下DNP)の3社は、ICタグを使った飲料用PETボトル素材の物流実験を10月1日から開始すると発表した。9月末までにリーダーの設置など事前準備を完了させる。
今回の実験の対象は、千葉県のDNP柏工場から中間倉庫を経由して神奈川県のキリンビバレッジ株式会社湘南工場に搬送される飲料用PETボトル素材の入ったコンテナ。すべてのコンテナにICタグを装着し、コンテナ単位の物流管理を行なう。ICタグには個別ID(EPC)のみを付与し、各コンテナの属性データはインターネット上のサーバーに蓄積するネットワーク型のシステムとなる。ICタグによる物流管理のほか、生産システムなど既存システムとの連動を行ない、ICタグの有効性を確認するのが目的だ。
ICタグのリーダーは物流過程の各拠点に設置し、リーダーのID、読み取った時刻、コンテナIDを関連付けてデータを蓄積、各コンテナがどこにあるかを把握する。データベースに蓄積されたデータは、Webブラウザからインターネット経由で確認できる。DNP社内では、飲料用PETボトル素材の生産データが蓄積されており、コンテナIDと関連付けた受注情報、製品使用情報などの関連情報も閲覧できる。
ICタグを実運用する効果としては、クレーム発生時に同一ロットの現在位置を追跡したり、各拠点ごとの在庫管理をリアルタイムに把握することなどを見込んでおり、対費用効果などについて検証を行なう。そして、ICタグの運用する上での技術・データ・ノウハウを蓄積し、各社の事業領域の可能性を探る。
将来的には、物流データと品質管理データの連携や、飲料メーカー側でのデータ活用、製造年月日の古いものから順に使用することの徹底などについても検証を行なう予定だ。なお、本実験では、オートIDセンターが開発を進めているネットワーク上におけるID管理技術「EPC Savant」を使用するほか、ICタグにはDNPの「ACCUWAVE」を使用する。実験期間は2004年3月までの6カ月間となっている。
関連情報
■URL
ニュースリリース(NTTコムウェア)
http://www.nttcom.co.jp/news/pr03090801.html
ニュースリリース(サン・マイクロシステムズ)
http://jp.sun.com/company/Press/release/2003/0908.html
大日本印刷
http://www.dnp.co.jp/
オートIDセンター
http://www.autoidcenter.org/japanese_main.asp
関連記事:マルエツら3社、食品流通分野における無線ICタグの実証実験
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0424/ictag.htm
関連記事:東レインター、“オートIDセンター”のタグ管理仕様に対応したICタグ
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0305/toray.htm
関連記事:オートIDセンター日本拠点、慶應SFC内に開設
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0122/autoid.htm
( 釜谷 建 )
2003/09/08 18:56
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