Internet Watch logo
記事検索
最新ニュース

RIAA、予告通りP2Pネットワーク利用者250人以上に対する民事訴訟を開始


 全米レコード協会(RIAA)は8日、6月25日に予告していた通り、相当量の著作物をP2Pネットワークで違法に配布していたとされる個人ユーザー250人以上に対して、会員企業が民事訴訟を開始したと発表した。

 RIAAによると、民事訴訟の対象となったのは平均で1,000件以上の音楽著作物ファイルを違法に配布していたいわゆる「ヘビーユーザー」であり、これが第1弾の民事訴訟となるとしている。RIAAは5月以来、KazaaとGroksterのファイル交換ネットワーク利用者に対して合計400万通以上のインスタントメッセージを送信し、これ以上違法にファイル交換を続けるならば訴訟の対象になることを強く警告していた。今回提訴された人物は全員、このインスタントメッセージを受け取っているとされている。

 その一方でRIAAは、自ら名乗り出て違法なファイル交換をやめることを堅く誓うユーザーに対して「特赦」を行なうと発表した。これまでのところ、RIAAの調査対象になっていない人物が自ら名乗り出て、署名と公証人により認証された宣誓証書によって今後レコード会社の著作物を尊重することを約束する場合は、RIAAは訴訟を起こさないことを保証するとしている。

 P2Pネットワーク利用者に対するRIAAの姿勢に対しては、会員であるレコード会社はもちろんのこと、多くのアーティストが支持を表明している。しかし、一部のアーティストが反対する姿勢を表明しているほか、一部の有識者もその姿勢に同意しかねるとの見解を示している。RIAAがこれまでNapsterなどの個人利用者に対して訴訟を起こさず、一見静観していたかのように見えるため、かえってファイル交換ソフトの利用者を増やす結果になったという指摘だ。また、その一方で最近になってAppleがオンライン音楽販売で楽曲のばら売りを始め、こうした多様な販売方法を音楽業界が認めつつあることに対して評価する声もある。


関連情報

URL
  全米レコード協会(英文)
  http://www.riaa.com/
  関連記事:RIAA、違法ファイル共有の個人を対象にした訴訟活動を開始
  http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0626/riaa.htm
  関連記事:ミュージシャンら83人、RIAAへ音楽愛好家の処罰に反対する公開書簡を送付
  http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0701/riaano.htm


( 青木大我 taiga@scientist.com )
2003/09/09 12:53

- ページの先頭へ-

Internet Watch ホームページ
Copyright (c) 2003 Impress Corporation All rights reserved.