オープンソースであり、無償とされていることから、Linux導入を検討する企業や自治体などが増えているが、デスクトップ機の場合はWindowsからLinuxへOSを切り替えても、コスト削減にはほとんどつながらないという調査結果を米Gartnerが公開した。
調査では、デスクトップ機とサーバー機を比較。サーバーではコスト削減効果がかなり認められた。この理由としては、サーバー機では処理に使うアプリケーションがさほど多くなく、単一のアプリケーションである場合も多いことを挙げている。一方デスクトップ機の場合、数多くのアプリケーションが使用され、その用途も多様であることから、WindowsからLinuxへ乗り換える場合、アプリケーションの移行に多くの時間と費用がかかることになると分析。以前と同様の環境、またはそれ以上のものにするためには、乗り換え後も時間と費用と労力とがかかるとしている。
このような状況を考慮すると、Linuxへの乗り換えでコスト削減効果が出るのは、デスクトップ機であれサーバー機であれ、使用しているアプリケーションが狭い領域に限定されていることが必須条件となるという。
調査では、いずれにしても、企業がLinux導入を決める際には、乗り換えによって減少するライセンス料に目移りすることなく、その際にかかる初期費用の他、その後にも発生するであろう費用もかなり「多めに」見積もる必要が出てくると結論している。いわゆるTCO(所有に関する総合コスト)という考え方だ。
「例えば、いまだにWindows 95を使用している企業であれば、サポートがほぼ打ち切られている現状を考慮すると、Windows XPなどにアップグレードするよりもLinuxへの乗り換え効果は高いと考えられるが、すでにWindows XPや2000を使用している企業であれば、そのメリットはほとんど無い」と調査アナリストは分析。システムアップグレードの際には、プラットフォームを決める前にコストの検討を行なうことが重要だとしている。
関連情報
■URL
ニュースリリース(英文)
http://www4.gartner.com/5_about/press_releases/asset_48973.jsp
( Gana Hiyoshi )
2003/09/12 19:56
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