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総務省、NTT東西の法人向けIP電話、050着信に関する意見募集の結果


 総務省は、NTT東日本および西日本が行なった活用業務に関する認可申請について、意見募集結果を公開した。この認可申請はNTT東西が提供を予定する「0A~J」形式の電話番号を利用した法人向けIP電話サービス、固定電話から「050」で始まるIP電話への着信サービスそれぞれの料金設定について行なわれている。

 NTT東西の法人向けIP電話については、日本テレコムやKDDIなどの通信事業者16社が連名で不認可とすべき旨の意見書を提出している。また、KDDIやケーブル・アンド・ワイヤレスIDC、フュージョン・コミュニケーションズはそれぞれ単独でも不認可を主張した意見を提出している。

 イー・アクセスや日本テレコム、連名の意見書に参加していないソフトバンクBBなどは、IP電話のアクセスチャージが整理されていない、法人向けIP電話サービスの定義が明確でないといった理由から認可は時期尚早であり、慎重に検討すべき問題としている。一方、大阪ガスやセキスイ・システム・センターといった企業は、法人向けIP電話サービスをユーザー側からの視点として「料金の低廉化によるコストダウンや0A~J番号のポータビリティは歓迎すべき」とコメントしている。

 固定電話からIP電話への着信については、日本テレコムやイー・アクセスは総務省が出した認可条件について基本的に賛成の立場を採る。ソフトバンクBBは「固定電話で圧倒的なシェアを持つNTT東西が料金設定することは公平性に欠ける」などの理由から、「IP電話の契約数が固定電話の契約回線数に匹敵するまではIP電話事業者側に料金設定権を認めるべき」との条件を提案している。

 ケーブル・アンド・ワイヤレスIDCは固定電話同様に選択中継または事業者ごと料金設定する「ぶつ切り料金」にすべきと提案。また、平成電電は「IP電話と固定電話の識別ルールなども整備されていない現状では、故障申告に対する対応が困難になる」ため、IP電話と固定電話を明確な形で識別すべきと主張しており、IP電話への「0A~J番号」を割り当てるべきではないとしている。

 認可申請を行なったNTT東西は、総務省の提案した認可条件について「申請内容と関連するものではなく、(認可条件として)付すことは適当ではない」と主張。IP電話市場は多くの事業者が様々なサービスを提供している点ではNTT東西も対等な立場であるという観点から、活用業務に関する手続きも簡素化するよう強く要望している。


関連情報

URL
  総務省 報道発表資料
  http://www.soumu.go.jp/s-news/2003/030918_1.html

総務省、NTT東西の法人向けIP電話サービス、050着信について意見募集(2003/08/20)
日本テレコムやKDDIなど16社、「NTT東西の法人向けIP電話は不認可とすべき」(2003/09/16)


( 甲斐祐樹 )
2003/09/18 20:58

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