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JPRSが取り組む「Webドメインマーケティング」とは?

企業のブランドイメージ向上にも寄与

 JPドメインの管理を行なう日本レジストリサービス(JPRS)が、新たに「Webドメインマーケティング」という手法を推奨しはじめた。企業などがより効果的にドメイン名を利用するためもので、ひと言でいえば、汎用JPドメイン名を活発に利用してもらうことで企業活動に貢献しようというものだ。


ブランド名や製品名をそのままドメイン名に

 日本でもっとも登録が多いco.jpドメイン名は、1社に1ドメイン名という厳格な規定で運用されており、複数のドメイン名を取得したい企業にとってはこの制度が、いわば“壁”となっていた。そのため、.comなどのgTLDを別途取得したり、co.jpドメインの下に、仕方なく別のサイトを構築していた。

 JPRSが推奨しているWebドメインマーケティングは、こうした企業側の要望に対して、汎用JPドメイン名で対応していこうというものだ。周知のように、汎用JPドメイン名は、ひとつの企業でも複数のドメイン名を取得することが可能。これを利用して、例えばブランド名や製品名をドメイン名として登録することが可能になる。

 すでに、こうした考え方を採用している企業に日清食品がある。同社では、従来からの「nissinfoods.co.jp」を企業情報などを掲載するサイトとし、その一方で新たに「cupnoodle.jp」や「goota.jp」など、それぞれの商品名に合わせた汎用JPドメイン名を取得。製品情報やキャンペーン情報をそれぞれのサイトに掲載している。また、松竹の場合は、映画名ごとに汎用JPドメイン名を取得し、その映画に関する情報を公開前から提供する活動に取り組んでいる。

 このように、製品名やブランド名をドメイン名に利用することで、利用者がURLを覚えやすい、製品サイトに直接誘導できるといったメリットのほか、検索エンジンでも上位に出やすくなるなどの効果が期待できるようになるという。また、マクドナルドのように、「mcdonalds.co.jp」に加え、新たに「mdj.jp」という短いドメイン名を取得し、携帯電話ユーザーがアクセスしやすいように配慮するといった使い方もある。


テレビCMでもURLを伝えられる日本語ドメイン名

 汎用JPドメイン名の中でも、特に今後、JPRSが力を注ごうとしているのが日本語JPドメイン名である。日本語をそのままドメイン名に使えるという点は、テレビCMなどで一瞬のタイミングに消費者にURLを訴えるという点では、ASCII文字列のドメイン名を表示するよりも効果的である。顧客をサイトに誘導しやすいという点で大きな威力を発揮する。日本語JPドメイン名自体は、現在までに約46,000件の登録があり、少しずつ増加傾向にあるという。

 だが、問題は利用環境が整っていないことだ。Netscape 7.1など一部のブラウザはそのまま日本語JPドメイン名を利用できるものの、もっとも普及しているInternet Explorer(IE)の場合は、JPRSのサイトからプラグインをダウンロードしなければならない。プラグインのインストール作業は極めて簡単なのだが、これが認知されていないため、現時点で利用環境が整っているユーザーは少ないのである。JPRSでは、IEで日本語JPドメイン名に標準対応してもらえるよう、同プラグインの標準搭載をマイクロソフトに対して申し入れているが、Windows XPにおいてサービスパックなどで対応する計画はないという。

 そこでJPRSでは、パソコンメーカー各社にそれぞれ独自に日本語JPドメイン名の対応機能を標準で搭載してもらえるように働きかけたり、携帯電話のキャリアに対しても同様に標準搭載を申し入れている段階だ。来年以降、各社のパソコンや携帯電話にこの機能が標準搭載されるということがあるかもしれない。

 このように、汎用JPドメイン名や日本語JPドメイン名を利用することで、企業のブランド戦略やイメージ戦略にも影響を与えることができそうだ。ドメイン名の有効活用の手法として、JPRSの推奨するWebドメインマーケティングに注目してみるのもひとつの手だろう。


関連情報

URL
  日本レジストリサービス
  http://jprs.jp/

JPRS、会社設立前でもco.jpドメインの仮登録申請を可能に(2003/09/16)


( 大河原克行 )
2003/09/19 14:51

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